【中小企業の銀行対策】地域内シェアの高い金融機関をメインバンクにするメリットとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、地域内シェアの高い金融機関をメインバンクにするメリットについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 地域シェアの高い金融機関には理由がある
2 中小企業経営者は金融機関の地域内シェアに注目する
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 地域シェアの高い金融機関には理由がある
大阪のような大都市部では、さまざまな業態の金融機関が乱立していて、リテール(個人向け)業務にせよ、中小企業向け事業性取引にせよ、各金融機関が地域内シェアを少しでも高めるため、激しい競争を繰り広げています。
見た目には同じように見える金融機関ですが、それぞれ特色があって、強みと弱みも併せ持っています。
中小企業経営者の皆様からよく「どの金融機関をメインバンクにするとええのやろう?」という類の質問が寄せられますが、この質問に的確に答えるのはそう簡単なことではありません。
同じ関西であっても、大阪、神戸、京都では、金融機関のラインナップは一様ではなく、その地域内の金融業界の勢力地図が異なります。
このため、中小企業経営者は、地域特性から発せられるその地域内の金融業界の勢力地図を見極めて上で、自社の業務に適した金融機関をメインバンクとして選択することが肝要です。
とはいえ、地域特性にマッチした金融機関が地域内で高いシェアを占めるようになるのは自明のことです。
金融機関に限らず、広く中小企業や一般個人から支持される会社は、それなりの理由があることは間違いのないことなのです。
例えば、弊所が拠点を置いている「東部大阪」エリアでは、東大阪市、八尾市や隣接する大阪市平野区、生野区や東成区は、中小企業、中でも中小製造業が集積しています。
中小製造業といっても、曲がりなりにも一定の雇用が存在するので、このエリアの地域金融機関は、中小企業向け事業性取引だけではなく、一般の給与所得者にも支持される必要があります。
例えば、メインバンクの要件の一つである給与振込(給振)一つとってみても、給料を受け取る一般の給与所得者の目線からすると、地域内に営業店(支店等)が多く存在していたり、店舗外ATMが駅構内やショッピングセンター内に配置されている金融機関の方が圧倒的に利便性が高いといえます。
一般給与所得者目線ですと、平日だけではなく、土日であっても、ATM手数料がかからないような金融機関の方が給与振込に適していることは言うまでもありません。
中小企業側としても、給振手数料を勘案すると、新規採用の従業員に対して、自社のメインバンクに給振口座を指定してもらえるとありがたいわけです。
このため、意外にも、中小企業向け事業性取引と一般個人取引は、金融機関にとっては表裏一体のものと言えるのです。
中小企業にとっても、一般給与所得者にとっても利便性の高い金融機関が地域内のシェアを高めていくことは当然といえば当然のことなのです。

2 中小企業経営者は金融機関の地域内シェアに注目する
先ほどは、中小企業とその従業員の目線から金融機関の特性について触れてみました。
一方、B to Bについても同じようなことが言えます。
仕入先や外注先に総合振込で支払を行う際、理想的には営業店(支店等)は別でも同じ金融機関の方が手数料も割安で済みますし、望ましいことは言うまでもありません。
例えば、社長仲間同士で呑んでいる席で、「な、お前の会社のメインバンク、どこやねん?」と質問されれば、「うちは〇〇信用金庫やで。あそこは外回りの担当が小回り利くし、支店行ったら支店長出てくるし。うちみたいな会社の規模やったらあそこがちょうどええな」と答えが返ってくると内心(うちも〇〇信金との取引増やした方がええかもしれへんな)という具合になるやもしれません。
意外にも社長同士のいわば口コミというのはなかなか効くものなので、中小企業レベルだと、この位の口コミで地域金融機関の地域シェアが高まるような側面があるやもしれません。
実際、地域内での個別の金融機関のシェア何%というのはなかなか弾きにくいかもしれませんが、ネット上で公開されている金融機関個別のディスクロージャー誌の誌面で、資金量(預金量)で単純比較するだけでも、個別金融機関の地域シェアのイメージを掴むことができます。
また、地域密着の地域金融機関は、露骨な取り組みスタンスを取ることは想定しにくいと言えます。
担当者レベルであっても、10年後役席者に昇格して、現在勤務している営業店に隣接する営業店に転勤してくる可能性もそこそこあったりします。
このため、債権回収を強行した挙句、融資先が倒産したとなると、地域内で(あの社長、ええ人やったのに、気の毒になあ。結局銀行に潰されたらしい。追加の融資断られて、挙句の果てには貸し剥がしにあったらしい)という類の噂が立ってしまいかねません。
地域密着の金融機関はこの手の噂を好まないので、露骨な取り組みスタンスは取りづらいのです。
金融機関の役職員と言っても、間違っても恨みは買いたくないのです。
このように、金融機関といえども、人気商売です。
地域特性に合った金融機関が支持され、地域内のシェアが高まることはごくごく自然なことです。
中小企業経営者は、自社のメインバンクのザクっとした地域シェアを調べて、自社のメインバンクが地域内で支持されているか見極めておく必要がありそうです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へも併せてご一読下さい。

