【中小企業の銀行対策】借りやすい会社と借りられない会社との二極化が進んでいる理由とは?

今日は、中小企業の中でも、銀行等金融機関から借りやすい会社と借りられない会社との二極化が進んでいる理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 金利上昇局面の金融機関はめちゃくちゃ儲かる
2 金融機関も体力の差が顕在化している

中小企業経営者の皆さん、どうぞ、ご一読下さい。

1 金利上昇局面の金融機関はめちゃくちゃ儲かる

2026年も折り返しを過ぎて、2年近く前に解禁された金利の引き上げは、すでに、中小企業経営者の意識を変えていると言えます。
安倍政権から長らく続いてきたゼロ金利、マイナス金利は終わりを告げ、「金利のある世界」が戻ってきました。
預金金利は引き上げられましたが、中小企業向け融資の典型的な指標である各金融機関の短期プライムレートは、2度の引き上げを経て、多くの金融機関で8月3日に年率0.250%引き上げられ、同日以降に到来する返済、利払分から引き上げ後の短プラが適用となります。

金利の上昇局面では、預金金利の引き上げ幅は貸出金利の引き上げ幅に全く及びません。
8月3日の短プラ引き上げに際しては、年率0.250%の引き上げとなる一方、金融機関の主要な資金調達源である普通預金の引き上げ幅は年率0.100%にしか過ぎません。
黙っていても、金融機関では、利鞘(貸出金利と預金金利の差)がどんどん拡大していくので、真っ当な金融機関であれば、儲かって儲かって仕方がなくて、銀行経営者はまさに笑いが止まらないと言ったところが実情です。
金融機関では、利鞘(貸出金利と預金金利の差)がどんどん拡大していくことから、本部の営業推進部署(営業推進部や法人推進部等)は営業店(支店等)に「預金を集めろ、それ以上に、どんどん貸せ」と大号令が飛ぶことになります。

とはいえ、どんどん貸すのは良いけれど、不良債権を作ってしまっては元も子もありません。
このため、既存の融資先に対しては、「良い先」に「更に貸す」ことに注力しますし、預金取引のみで融資がない先や、預金を含めて全く取引のない中小企業で、かつ優良先に金融機関営業店の外回り担当者が日参することとなります。
金融機関営業店で、事業性資金を取り扱う営業店(支店、営業部、支社、法人営業部等)の中には、新規専担(新規融資開拓を専門に行う担当者)を置いていることが多々あります。
新規専担は、往々にして、帝国データバンクや東京商工リサーチと言った調査会社から金融機関が購入するワンシートのデータを頼りとして、新規融資の見込み先を選定することが多くあります。
新規専担は、外回りの中でも、若手、中堅から選抜されたエース級が充てられます。

このため、中堅や中小企業の中でも「優良先」であろうとみられる先には、外回りの担当者や新規専担が殺到することになります。

金融機関の新規融資先の見込み先として、会社訪問を受ける経営者の中には、(まんざらでもない)と言った具合に、格別の資金使徒がないにもかかわらず、ヒョイヒョイ資金調達をしてしまいがちです。
格別の資金使徒がないにもかかわらず、見た目の金利の安さだけで安易に資金調達することは、将来的に過剰債務の温床にもなりかねません。
また、新規専担の担当者は、証貸をぶち込んで実行をしてしまえば、別の外回りの担当者に引き継いでしまうので、後々、「おい、話が違うやないか」ということにもなりかねません。
「おい、話が違うやないか」となった時には、新規融資実行時に熱心に日参していた新規専担担当者はとっくに栄転でどこかの営業店か本部部署に異動していたりします。

中堅、中小企業経営者は、新規融資の売り込みを受けた場合には、本当にその資金が必要なものなのか、しっかりと自らに問うてみる必要があるのです。

【中小企業の銀行対策】借りやすい会社と借りられない会社との二極化が進んでいる理由とは? 

2 金融機関も体力の差が顕在化している

他方で、金融機関から新規融資の提案を相次いで受ける中小企業経営者がいる一方、なかなか経営改善が進まず、ようやくリストラ効果が顕在化して単年度で利益が出るようになったものの、依然として財務体質が脆弱なままの中小企業は、思うような資金調達ができなかったり、あるいは、信用保証協会の保証付が大前提となっているような中小企業もなきにしもあらずです。

「金利のある世界」が広がってきてはいるものの、まだまだ金融機関が追加融資に後ろ向きな融資先も現に存在するのです。

前者のように、より低いレートが資金調達を実現できている中小企業があれば、資金調達難から脱することができていない中小企業も数多く、両者の格差はますます拡大する傾向にあるのです。

一方、金融機関も全て元気モリモリで、ドンドン新規、追加融資を掘っていくという金融機関ばかりでは決してありません。
資金量(預金量)が小さかったり、預貸率が低く公社債等有価証券での資金運用への依存度が高い金融機関にとっては、金利上昇局面は、大きな大きな逆風下にあります。
債券安の影響は甚大で、保有する投資有価証券に含み損が多く内包しているような金融機関では、投資有価証券の満期が到来する度に、投資有価証券の売却損が本業である業務純利益を吹き飛ばしてしまいます。
これでは、融資先が本当に必要とする資金も満足に調達できなくなる公算が大きいのです。
儲かる金融機関と、そうでない金融機関の格差はますます拡大する傾向にあるのです。

中小企業経営者は、自社が借入過多に陥らないよう、堅実な財務体質を維持すると共に、メインバンクの健全性をチェックをし、場合によっては、必要な資金調達ができるような金融機関に取引のウェイトをシフトさせていくことを検討する必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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