【中小企業の銀行対策】商工組合中央金庫を取引金融機関に加えるメリットとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、商工組合中央金庫を取引金融機関に加えるメリットについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 商工中金は完全に民営化された
2 商工中金は全国組織の中小企業の駆け込み寺である
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 商工中金は完全に民営化された
商工組合中央金庫、通称商工中金は、中小企業向けの金融機関です。
「ん? 商工中金、うちはご縁がないなあ」と思った中小企業経営者は、ちょっと損をしているかもしれません。
一方、「商工中金、いつもお世話になってるなあ。親切やし」と商工組合中央金庫を取引金融機関として活用している中小企業経営者も少なくないはずです。
ちなみに念のために申し上げますが、弊所は、商工組合中央金庫とは何も関係なく、弊所の平素の実務の中から、中小企業にとっての商工中金の実情について、北出の独断と偏見で書き下しているものですので、誤解なきようお願いします。
元々、商工中金は、経済産業省が主に所管する政府系金融機関でした。
度重なる経済危機には、民間金融機関に先駆けて、いち早く危機対応資金を制度資金として対応したり、業種別では、運送業者さんで、10トン車のような大型トラックの購入には20百万円程度の多額の資金が必要になりますが、地元のトラック協会が債務保証をする形で、長期固定のリーズナブルなレートで資金調達できたり、中小企業にとっては、民間金融機関とは別に、重要な資金調達源となっています。
そんな商工中金ですが、2025年6月に政府保有株を自己株式として償却する形で、政府保有株式が全て売却されているので、完全民営化が実現されています。
とはいえ、完全民営化されたからといって、危機対応や業種別の制度融資はそのまま継続されているので、一中小企業、一融資先としての位置付けは何ら変わるところはありません。
中小企業経営者として、商工中金の強みを使いまくることに越したことはありません。
商工中金の強みの一つが全国組織であることです。
商工中金の概要は、本店が東京都中央区、預金量が約6兆8,000億円、発行している債券約3兆1,000億円、貸出残高約9兆7,000億円強で、預貸率はほぼ100%となっていて、大手金融機関並みの規模を誇っています。
営業店の数は、国内103、海外5で、国内だけではなく、海外ネットワークも充実しています。
預貸の規模が大きく、全国展開をしていることで、ビジネスマッチングのネタも豊富で、仕入先や得意先も必要に応じてご紹介いただけます。
当たり前ですが、役職員は皆全国転勤ありで、担当者の方と仲良くなると、「出身はどちらです?」とか、「今までの営業店で一番面白かった場所はどこですか?」とか、くだらん話で盛り上がったりします。
確かに、メガバンクもそうですが、全国転勤はいかにも大変そうで、大阪府内の営業店の方が異動になって、「次はどちらへ行かれるんですか?」と伺うと、「次は仙台支店です」とか「熊本です」とか、そういうのはザラです。
役職員の皆さんは、概ね皆さん、堅実真面目で、もっといえば、営業課の担当者の方は基本親切、懇切丁寧で、役席の営業課長も柔軟に同席してくれたりします。
民営化されたことで、融資へのスタンスも従来以上に積極的に展開しているようです。
中小企業経営者の皆さん、商工中金に少しは興味を感じていただければ幸いです。

2 商工中金は全国組織の中小企業の駆け込み寺である
そんな商工中金ですが、パット見、商工中金の営業店(支店)は、概ねどこも主要駅前の一等地のビルの1階路面に立地しているため、中小企業経営者の中には、「ちょっと敷居が高いなあ」と感じてしまうかもしれません。
しかしながら、仮に、初見であっても、門前払いを食らうことはありませんし、親身に話を聞いてくれるはずです。
「今の取引金融機関でもいいけど、一度、商工中金の扉を叩いてみよかな」と感じた中小企業経営者であれば、自社の会社案内のパンフレット(あれば)、直近の試算表、過去3期分の決算書、ビジネスモデル俯瞰図(会社の商いの概要をワンシートで簡単に一目でわかるようなもの)、資金繰り表を準備していくと、話が早いはずです。
商工中金の強みとして挙げられるポイントとして、融資が固定金利対応となることが多いことを見逃すわけにはいきません。
アメリカからの圧力もあり、日銀によるさらなる政策金利引き上げが早まることが懸念される中、変動金利ではなく、固定金利対応は中小企業経営者には大きな大きな魅力です。
また、民営化以前、政府系金融機関の一端を担っていた当時は、商工中金が積極的に残高シェアをとりにいくと、民間金融機関から「政府系による民業圧迫やないか」という批判が出かねませんでしたが、完全民営化された今となっては、民業圧迫もクソもありません。
条件が良ければ、既往の借入金を商工中金で肩代わりをお願いすることもルール違反では決してありません。
繰り返しになりますが、弊所は、商工中金の回し者では決してありません。
しかしながら、弊所のお客様中小企業で、商工中金との取引がなく、商工中金との新規取引が実現できた中小企業経営者は、概ね「商工中金と取引始めて、助かったわ」と言ってくださるケースが多いのです。
ちょっと大袈裟な言い方ですが、商工中金は、中小企業の駆け込み寺と言えるのです。
中東情勢が終息する見込みが立たず、日中関係が正常化されない今、国内の企業間物価は益々上昇することが懸念されます。
厳しい外部環境が予想される中、必要な資金を調達するため、中小企業経営者の皆様には、商工中金との新規取引を検討されてはいかがでしょう。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。


