【中小企業の銀行対策】メイン、サブ、政府系の取引金融機関別の理想的な使い分け方とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、メイン、サブ、政府系の取引金融機関別の理想的な使い分け方について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 並行メインは避けるべきである
2 メインバンクのメンツを潰してはならない

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 並行メインは避けるべきである

商いの規模が年商数億円にもなってくると、中小企業といえども、取引金融機関が一行のみというわけにはいかなくなります。
元々のメインバンクは、多くの場合、創業当初以来、取引を続けている場合が多いですが、「なぜ、こちらの金融機関のメインバンクにされたのですか?」と経営者にお尋ねしてみると、メインバンクになった経緯は、結構、千差万別です。

先輩格の社長仲間から支店長を紹介してもらったり、取引先と同じ金融機関との取引が始まったり、はたまた、会社から徒歩圏内の最も近い金融機関をメインバンクにしたなどなど、メインバンクになった経緯は一様ではありません。
他方、商いが大きくなってくると、新規融資開拓を目的に、今まで取引の全くなかった金融機関の外回りの営業担当者から突然訪問を受けることがあります。
取引金融機関の数は多すぎるのは考えものです。
A信用金庫がメイン、B銀行がサブ、それに政府系の日本政策金融公庫といった具合の取引金融機関の数が、数億円の年商規模の中小企業には望ましく、メイン、サブ、政府系のように、取引金融機関を序列化することが意外と大切です。

時折見受けられるのが、並行メインと言われるケースです。
X銀行とY銀行が融資残高シェアが40%ずつで、残りが政府系金融機関という具合です。
会社の業況が順調で、順風満帆であれば、並行メインでもなんら支障はないのですが、いざ、会社の業況が低迷し、経営改善が必要な局面に差し掛かった時に、並行メインの場合、X銀行の担当者は、「Y銀行さんがメインなんですから、うちではなく、Y銀行さんにご相談されてはいかがですか?」と逃げの一手を打たないとも限りません。

一方A信用金庫のように、「御庫がメインバンクなんですから、いざという時には頼みますよ」といった風にメインバンクと握っておけば、A信用金庫が、B銀行と政府系金融機関に対して、「当庫がメインですので、しっかりと支えますので、他行さんも協調して協力して下さい」と他行を主導してもらえば、中小企業経営者にとってはこれほど心強いことはありません。

繰り返しになりますが、並行メインではなく、メイン、サブ、政府系という具合に、しっかりと取引金融機関を序列化することが極めて重要なのです。

【中小企業の銀行対策】メイン、サブ、政府系の取引金融機関別の理想的な使い分け方とは?

2 メインバンクのメンツを潰してはならない

いざという時に、取引金融機関各行に協調体制を維持してもらうためには、メインバンクに旗振り役になってもらう必要があることを申し上げました。

中小企業経営者とメインバンク担当者との間に、信頼関係はどうしても必須です。
このため、メインバンクのメンツが潰れるようなことは絶対に避けなければなりません。
例えば、新規融資を放り込みに来た新規取引の金融機関から融資を受ける際、金利が安いということだけで、新規融資に行ってしまうのは好ましくありません。
最悪なのは、直近の決算書ができてきて、メインバンク担当者に決算書を渡した際に、勘定科目明細の借入金のページを見たメインバンク担当者が、「社長、〇〇銀行から新規融資、受けられたんですか? なんで、僕に一言、いうてくれへんかったんですか? 資金が必要でしたら、うちで対応させてもらいましたのに」と泣きが入ることです。
メインバンク担当者は、営業店(支店等)に戻って、その顛末を外回りの営業担当の役席に報告したら、「お前、何やっとんのや? 日頃からのフォローが足りてないからこんなことになるんや!」と大目玉を食う羽目になってしまいます。
これでは、メインバンクとしてのメンツが潰れてしまいます。

このため、もしも、メインバンク以外で融資を出してもらう際には、少なくとも事前にメインバンク担当者に一言、相談を入れるのが銀行取引のルールです。

尚、メインバンク担当者に一言相談を入れるのは政府系金融機関でも同じですが、政府系の場合、民間金融機関ほど、目くじらを立てることはありません。
長期金利の上昇局面で、政府系金融機関の適用金利も民間金融機関と同様、上がる傾向ですが、多くの場合、政府系金融機関は固定金利であるため、民間金融機関は政府系金融機関と競合することはほとんどないのです。

中小企業経営者は、取引金融機関を序列化した上で、理想的に使い分けることが大切なのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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