【中小企業の銀行対策】最近の金融機関の経営統合のトレンドとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、最近の金融機関の経営統合のトレンドについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 経営統合にはいつかのパターンがある
2 中小企業経営者にとってメインバンクの経営統合は対岸の火事ではない

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 経営統合にはいつかのパターンがある

中小企業に限らず、業界内での生き残りをかけたり、勝ち組に残りつづるため、別々の会社が経営統合するのは不思議でもなんでもありません。
そもそも、経営統合と簡単には口で言ってしまうのですが、特に、金融機関の場合、往々にして、経営統合となる場合、ライバル関係にある金融機関が経営統合するケースが少なくありません。
金融機関の経営トップとしては「自らの名前を歴史に残す」という気持ちがあるのかないのか定かではありませんが、現場の営業店では、これまでのライバル行と経営統合となるあので、「お堅い仲良くやりましょう」といったところで、「ない言うてるねん」とアレルギーが発生するのは当然と言えば、当然です。
そもそも企業文化が全く違う会社や金融機関同士がお手て繋いで仲良くねと言われても、そりゃ難しいわなとなっても仕方がありません。

一口に経営統合と言っても、ザクっと言ってしまうと、二つの経営統合があります。
一つ目が「合併」です。
A社とB社が合併して一つの会社にガッチャンコとなることです。
これは本当に大変なことで、まず、新本店(本社)はどこに置くのか、「なんで、頭取がそちらでこちらは会長なのか」とトップはどちらが出すのか、システムはどちらのものを使うのか、細かい話ですが、伝票や帳票類はどちらのものを使うのかなどなど、合併準備のための合併準備室などが立ち上がったりして、けんけんがくがくの喧嘩腰の大激論となることは火を見るより明らかです。
とある合併行で、休暇届をどちらの銀行の書式を使うかで大揉めにもめたという話を聞いたことがあるので、現場は本当に大変です。
また、いざ合併となれば、合併効果を最大限に発揮させるため、店舗の統合は必須です。
支店の名称はそのまま残りますが、一つの店舗に複数の店舗が同居する店舗内店舗方式で、事実上の店舗統合が進みます。
営業担当の渉外係や得意先係はどうしても兵隊は必要なのであからさまななリストラはありませんが、店舗内店舗方式では、部店長(支店長等)や次席(副支店長や次長)は兼務となるため、管理職でもある部店長や次席は(俺ていつまで銀行に居れるんやろ?)と口には出さずとも戦々恐々の毎日を過ぎさざるを得なくなります。

2つ目は、持ち株会社方式による経営統合です。
新たに、現銀行の株を株式交換で持ち株会社を設立して、持ち株会社の下に、事業会社である銀行が吊り下げられる方式です。
持ち株会社方式による経営統合の場合、現在の銀行としての会社はそのまま残ります。
銀行の看板もそのまま温存されます。
この場合、合併のようなドラスティックなリストラは行われないことが多く、合併に比べると、穏健な経営統合ということができるかもしれません。

金融機関の経営統合に際して、最大のネックになるのが、システム統合です。
金融機関のシステムは。勘定系と情報系の2種類に大きく分けることができます。
勘定系とは、金融機関営業店の預金、融資、為替といった日常的な取引を司どる金融機関の心臓部とも言えるシステムです。
時折、金融機関では、土日や祝日にATMの営業を中止して、システムのバージョンアップをしますが、かつてのみずほ銀行ではありませんが、万が一にもシステムエラーが発生すると大変な事態に陥ってしまいます。
金融機関の勘定系システムは、もはや社会を支えるインフラと言える存在なので、万が一にも経営統合に際してのシステムエラは何がなんでも金融機関は避けなければなりません。

一方、勘定系に対して、情報系というシステムが存在しますが、主に顧客属性を管理する営業用のシステムです。
例えば、おじいちゃん、おばあちゃんから両親、孫に至るまで、家族全体の取引状況を把握して、投資信託の販売等資産運用の提案に繋げていくものですs。

このように、金融機関の経営統合は、相当大変な作業を伴うものなのです。

【中小企業の銀行対策】最近の金融機関の経営統合のトレンドとは?

2 中小企業経営者にとってメインバンクの経営統合は対岸の火事ではない

金融機関の経営統合が、徐々に顕在化してきていますが、中小企業経営者の中には、「うちの会社には関係あらへん」という方がいらっしゃるかもしれません。
実際問題、かつてのバブル崩壊後のように、個別の金融機関に信用不安が目立って感じられるわけではありません。

しかしながら、「金利のある世界」が到来して、長期金利が上昇して、地域金融機関の中には、運用目的で保有している投資有価証券に少なからぬ含み損が発生しています。
一方、預貸率が高く、有価証券投資への依存度が低い金融機関は預金を積極的に集めて、融資残高を伸ばして、増益を実現して、攻めの経営に転じている金融機関も存在しています。
こういってはなんですが、勝ち組と負け組と、金融機関の間でも、経営体力に差が出てきています。

こうなると、資金調達を金融機関に依存せざるを得ない中小企業で、その会社のメインバンクが負け組で、実質的に救済の色の強い経営統合に踏み切った場合、これまでのように、円滑な資金調達に支障が出ないとも限りません。
金融機関と一言で言っても、追加融資然り、決算書然り、試算表然り、しっかりと問題点を掘り下げられている金融機関とそうではない金融機関との差が歴然としていることを北出は目の当たりしています。

中小企業経営者は、自社のメインバンクの経営状況について、公式サイトを通じてディスクロージャー誌をつぶさに点検するなどして、自社メインバンクが健全経営を維持できているか、しっかりと検証をする必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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