【中小企業経営者の心得】中小企業には全員営業という姿勢が必要な理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、中小企業には全員営業という姿勢が必要な理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 中小企業にセクショナリズムは要らない
2 コストカットには限界があり効果も限定的である
どうぞ、ご一読下さい。
1 中小企業にセクショナリズムは要らない
企業を含めた組織は規模が大きくなればなるほど、組織図がピラミッド型の形になってしまいがちです。
確かに、3人、人が集まれば、いつしか、1対2に分かれてしまいます。
業務を円滑に進めて、指示命令系統を明白にするためには、全員がフラットというわけにはいかず、「長」といわれる人が出てくるのが自然です。
例えば、収益目標に対して、未達に終われば、製造業であれば、工場長は「営業部がアホやから」とぼやきますし、営業部長はといえば、「うちは製品自体が悪くて、ライバルにしてやられている」となって、いわば責任のなすりつけあいになってしまいます。
このような類の責任のなすりつけあいは、極めて非生産的で、将来にわたって、社内全体に禍根を残すことになります。
部門毎のセクショナリズムが強まることは、社内にいわば派閥を作ることに他ならず、誰も得をしません。
会社全体の雰囲気は悪くなり、収益改善は遠く離れてしまいます。
このような社内の派閥やセクショナリズムの発生を抑制するためにはどのようなことが必要なのでしょうか。

2 コストカットには限界があり効果も限定的である
そもそも、中小企業で働く従業員も、経営者にとっても、儲かる会社にすることで利害が一致しています。
経営者にとっては、赤字決算が続けば、資金調達にも支障が出てきますし、資金繰りがつかなくなるような不安感に苛まれてしまいます。
従業員にとっても、会社が儲からないと、賃上げの原資も確保できませんし、賞与も出ません。
儲かる会社にするという点では、経営者も従業員も異論はないはずです。
儲かる会社にするために必要なことといえば、当たり前ですが、売上を増やすこと、コストをカットすること、そしてその両方を両立することに他なりません。
他方、コストカットに関していえば、どうしても限界があります。
コストカットが社内で声高に叫ばれれば、従業員のモチベーションはダダ下がりですし、社内の雰囲気もギスギスしてしまいます。
また、一定程度の固定費はどうしても必要となるので、余計な経費は削ぎ落とさなければなりませんが、コストカット一辺倒では、必要な投資もできませんし、会社全体がネガティブになってしまいます。
ましてや、経営改善が必要な局面となって、取引金融機関からモニタリングが行われるようになると、アクションプランが実際のしっかりと実行に移されているか、そして、そのk効果は想定通りに出ているのかについて点検されることになります。
経営者自身にとっても、なかなかのプレッシャーにさられます。
一方、基本的に売上を伸ばすことは経営者にも、従業員もポジティブなことです。
既往のお客様にアイテムを上乗せしたり、新規顧客を開拓することは営業部門の醍醐味です。
また製造部門や経理部門でも、「売上のことは営業に任せておけば良い」と開き直るのではなく、例えば、会社を訪問してくれるお客様に元気よく挨拶をしたり、工場監察に訪れたメーカーの人にも、こびへつらるのではなく、気持ちよく対応することが極めて重要です。
中小企業経営者は、自社に必要以上のセクショナリズムが蔓延っていないかを常に監視をし、従業員の全員営業を徹底し、ポジティブな会社の雰囲気作りに全力で取り組む必要があるのです。

