【中小企業の銀行対策】証貸一本だけで他に取引が深まらない金融機関とは疎遠になって然るべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、証貸一本だけで他に取引が深まらない金融機関とは疎遠になって然るべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 どの金融機関も新規融資先獲得には貪欲である
2 金融機関との信頼関係構築は新規融資実行後にかかっている

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 どの金融機関も新規融資先獲得には貪欲である

金融機関の経営統合が一部で報じられる中、地域によっては金融機関を巡る情勢は相当に違いがあり、都道県単位で、一強の地方銀行が競合他行を傘下入りさせて、事実上の独占に近い状況ような都道府県もあれば、大阪のように、関西の地場金融機関に、3メガバンク、りそなグルループに加えて、西日本中の地方銀行が大阪に営業店を出してきて、熾烈な新規融資獲得競争を繰り広げている地域もあります。

当然のことながら、競争原理が働けば働くほど、中小企業にとっては、金利のディスカウント競争が激しくなって、資金調達コストが他の地域よりも低いケースも存在します。

そんな中、どの金融機関でも帝国データバンクのCOSMOS2や東京商工リサーチのTSR-vanのような企業データベースを保有していて、評点が高かったり、年商規模が比較的大きな企業を企業データベースから検索して、金融機関営業店の新規専担(新規融資先の開拓を専門に行う担当者のこと)が新規融資見込先に日参して、「既存のメインさんだけではなくて、ぜひ当行でも新規融資をお願いします」と売り込みに躍起です。
元々国立銀行などを前身とする地方銀行(俗に第一地銀)や第二地銀(旧相互銀行で平成の始めに普通銀行に転換した銀行)は全国で合わせて90行近くにも上ります。

そんな中、中小企業経営者の中には、日参する地方に本店を置く大阪営業部や大阪支店に籍を置く新規専担の熱意と既往の借入よりも低いレートを提示されたことで、「ほな、御行から新規融資をお願いします」となった場合、多くのケースで、新規融資実行後は放置されて、長期の証貸の返済だけが毎月引き落とされることが散見されます。

とにかく、証貸1億、期間60回(5年間)の資金の売り込みに新規専担は躍起です。
地方に本店を置く地方銀行の場合、地盤とする地方の地域では、往々にして、相続によって地方から預金が大都市に流入していたり、少子高齢化が進行していることと、自主廃業する中小企業が続出しているので、なかなか資金需要に結びつくことができません。

なので、大阪のような大都市に金融機関が進出することで、新規融資先の開拓には極めて貪欲と言えるのです。

【中小企業の銀行対策】証貸一本だけで他に取引が深まらない金融機関とは疎遠になって然るべき理由とは?

2 金融機関との信頼関係構築は新規融資実行後にかかっている

大阪にはゆかりのない地方銀行の大阪支店や大阪営業部から融資実行されて以降、新規専担の担当者からは連絡がなくなり、既存先の営業担当者に引き継がれたものの、「あの銀行、何も音沙汰あらへんなあ」と中小企業経営者が思い立って、大阪支店や大阪営業部の代表電話に電話をしてみると、「〇〇は転勤しておりまして、現在の担当者から折り返してご連絡させていただきますが」とつれない電話です。
確かに、元新規専担の〇〇さんは大阪で新規融資の開拓実績をドーンと掲げて、地元の営業店に戻って、次席(次長や副支店長)に昇進していたりします。
かといって、折り返しかかってくるはずの現在の担当者からの電話は待てど暮らせど鳴ることはありません。

本来、金融機関からすれば、融資が実行されて、初めて「ええお客さん」になるはずですが、一本釣りの新規融資先ということになると、融資実行後の取引は深耕されることがないケースがなきにしもあらずです。
新規融資が実行されて、融資先の特徴や強みを次の担当者がしっかりと把握をして、ビジネスマッチングや、場合によってはM&Aで買収先を提案してくれるとありがたいところです。

実際、金融機関の姿勢としては、預金と貸金だけではなく、総合的な取引深耕を志向していて、残高シェアを他行から奪取して、最終的にメインバンクに近いような取引金融機関になることが理想的です。
ところが、一本釣りの新規融資だけで終わってしまうような金融機関と付き合いをしていても、成長を模索する中小企業経営者としては、何のメリットもありません。

中小企業経営者は、もしかすると、取引金融機関の数が多いと感じているのであれば、メイン、サブ、サブサブ、政府系としっかりと取引金融機関の序列化を図り、取引金融機関の集約が必要となることを肝に銘じる必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

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