【中小企業の銀行対策】社長個人保証の負の影響とプラスの効果とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、社長個人保証の負の影響とプラスの効果について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 個人保証にはモラルハザード防止効果が存在する
2 個人保証を解除して円満な事業承継に繋げる

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 個人保証にはモラルハザード防止効果が存在する

「個人保証があるから、起業が増えないとか、事業承継が円満に行われない」。
世の中でよく言われることです。

確かに、おそらく北出が知る限り、諸外国では、社長の個人保証は極めてまれで、ほぼ我が国オリジナルのガラパゴスのような制度と言っても過言ではないほどです。
実際、事業承継後に個人保証が残っている2代目さんは、口には出さないにせよ、本音としては「なんで、親父の時代の借金までオレが保証せなあかんのや」と不満を持っているケースは少なくありません。

個人保証を理由に、事業承継が円滑に行われないのは、我が国にとっては大きな機会損失であることは間違いないため、過度に保証や担保に依存しないような融資を実現するため、経営者保証ガイドラインが策定されていて、弊所でも、経営者ガイドラインに基づいて、事業承継の前段階で個人保証を解除するためのお手伝いをさせて頂いているので、個人保証を解除したいという気持ちが強い中小企業経営者は相当数にのぼることと考えられます。

ところで、悪の権化のような社長の個人保証ですが、マイナスの影響だけではなく、プラスの効果がないわけではありません。
個人保証の象徴的なプラスの効果が、「金利」です。
個人保証があるが故に、モラルハザードを防止しているというプラスの効果は確かに存在するのです。

例えば、合衆国大統領のドナルド・J・トランプ氏は、自身が実質的な経営者であったり実権を握っていた会社が合衆国連邦破産法第11条(俗にいうチャプターイレブン)を申請した回数は実に6回にも及びます。

しかしながら、個人保証という概念のない合衆国では、自身が実質的に関与していた会社の清算が済まないうちに、新たな会社を立ち上げることができます。
平たく言ってしまえば、「ちょっと面倒臭い」とか、「会社が行き詰まりそうだ」という安易な理由で、連邦破産法第11条の適用を裁判所に申請してしまうケースが後を絶たないのです。

こんな具合に、会社が倒れてしまうと、合衆国内の商業銀行は、おいそれと融資を行うことはできませんし、リスクに応じた金利をもらうということで、運転資金の融資で適用レートを10%以上に設定するというのはざらです。
そもそも、10%もの高金利で資金調達しているわけなので、利払いに耐え切れず、息絶えてしまう会社が出てしまうのは当然のことです。

一方、個人保証の制度のある我が国では、中小企業や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際でも、昨今の金利引き上げはあるものの5%以内で資金調達をすることができます。
つまり、個人保証が安易な倒産を防止するというモラルハザード防止効果が存在するのです。

【中小企業の銀行対策】社長個人保証の負の影響とプラスの効果とは?

2 個人保証を解除して円満な事業承継に繋げる

個人保証のプラスの効果について申し上げましたが、オーナー経営者・オーナー社長からすると、「個人保証なんか、さっさと解除してしまいたい」というのが本音のところです。
こうなると、現在、個人保証を取引金融機関にしているオーナー経営者としては、経営者保証ガイドラインに粛々と則って、金融機関からの納得を得て、個人保証解除に全力に取り組む必要があります。
ましてや、子息、子女に事業承継を考えているオーナー経営者とすれば、個人保証解除に優先的に取り組まなければなりません。

経営者保証ガイドラインによれば、個人保証解除に必要な要件は3つで、
1 安定した財務基盤を確立できていること
2 個人と会社を厳格に分別すること
3 最低3ヶ月毎に、取引金融機関各行にモニタリング(業況報告)を行うこと
です。

この3つの要件を即満たす中小企業であれば、メイン行、サブ行、サブサブ行・・・の順番に個人保証解除の要請を行うことになるのですが、3つの要件を満たさないのであれば、数年計画で、3つの要件を満たすことのできる会社にすることが重要です。

直系の家族だけではなく、従業員や第三者に事業承継する際にも、個人保証解除は必須です。

弊所では、中小オーナー企業の個人保証解除に全力で取り込んでいます。
中小企業経営者で、事業承継を目指されている方がいらっしゃれば、ご遠慮なく私北出までお申し付け下さい。

公式サイト「子息・子女までの次世代に残せる中小企業の創造」もご一読下さい。

事業承継
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