【中小企業の銀行対策】現預金と在庫を平時よりも潤沢に確保しておくべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、平時よりも現預金と在庫を潤沢に確保しておくべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 モノ不足はまだまだ続く
2 危機モードで運転資金を確保する
どうぞ、ご一読下さい。
1 モノ不足はまだまだ続く
トランプ関税の行方は不透明感を強めるばかりです。
トランプ大統領はXで盛んに情報発信をしていますが、打ち出される政策は一貫性が乏しく、関税交渉の落とし所は読めません。
もちろん、円安修正によってドルが売られて円高になれば、もしかすると輸入品の価格は落ち着く可能性があり、もしかすると、ガソリン価格も下落に転じることもあるかもしれません。
他方、アフターコロナで一貫して続いているモノ不足はまだまだ続くことが予想されます。
原材料価格は上昇して、中小企業の売上原価を押し上げ、収益圧迫要因となっていることは間違いありません。
このような状況に対応するため、みずほ銀行など一部の金融機関では、非常時対応として、独自のプロパー資金を準備して、中小企業の資金需要に対応しようとしています。
企業間物価が高止まっている中にあっても、原材料を確保しなければ、製造業は成り立ちませんし、製品を仕入れられない卸売や小売も商売あがったりです。
かつてのリーマンショックや新型コロナウイルス感染症拡大期と同様、中小企業経営者は、危機モードにあることを認識して、原材料と製品の確保と、仕入資金をしっかりと手当てしておくことが必要であることは間違いありません。

2 危機モードで運転資金を確保する
業種によって、危機の度合いは濃淡があることは否めませんが、コメのように、スーパーの棚が空っぽになっているような極端な例も現に発生してきています。
自動車関連産業は裾野が広く、直接的な自動車部品メーカーだけではなく、生産工場での請負業者や、運送業などなど、トランプ関税の影響を受ける業種は多種多様にわたる可能性が高いのが現状です。
このため、中小企業経営者は、今の段階から、仕入資金を含めて、現預金の手元流動性をしっかりと確保するため、メインバンクと日本政策金融公庫に資金の要請をする準備を進めておく必要がありそうです。
直近の試算表、トランプ関税の影響を織り込んだリスクシナリオによる資金繰り表があれば、なお良しです。
トランプ関税の日米交渉がどのような落とし所で決着しようとも、過度な関税政策は、中小企業にとってネガティブでしかないことは間違いありません。
中小企業経営者は、危機モードにあることを認識して、当面の間、手元流動性の確保に注力する必要があるのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。
