【中小企業の銀行対策】予実管理を実行するメリットとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、予実管理を実行するメリットについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 月次の収益・資金繰り計画を立てる
2 予定と計画との乖離を検証し続ける
どうぞ、ご一読下さい。
1 月次の収益・資金繰り計画を立てる
中小企業経営者の中で、「予実管理」なる言葉を知っている方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
そもそも予実管理とは、まずは、収益や資金繰りの計画(つまり予定)を月次で向こう1年間を目途に立案します。
月が明けたら、前月の計画(予定)に対して、実績はどうだったのか? 計画(予定)値と実績値との間に乖離が発生していればその原因を明確にするというのが、予実管理と呼ばれるものです。
弊所では、基本的にどの中小企業のお客様にも予実管理を行なっています。
計画(予定)を策定する際には、直近の状況や傾向から向こう1年間の計画を立案することもありますし、全年月実績に対して、例えば、売上高を前年同月実績の1.12倍と設定することもあって、お客様の中小企業の業種や業態を加味しながら、お客様の状況を鑑みて、柔軟に設定するようにしています。
いずれにしても、計画(予定)を設定する際には、取引金融機関担当者から見ても合理的だと思えるような設定を行うことが必須です。
このように、月次の収益と資金繰りの計画の策定は、極めて重要なもので、経営者にも取引金融機関にも納得感が得られるようなものにすることが極めて重要なのです。

2 予定と計画との乖離を検証し続ける
次に大切なことは、計画(予定)を立てるだけで、お腹いっぱいになって、計画(予定)に対して、実績がどうだったのか、あるいは、計画値と実績値との間に乖離がなかったのかについて検証を繰り返さないと、予実管理は崩壊してしまいます。
特に、計画を策定当初は、計画値と実績値との乖離が大きくなりがちです。
その乖離も、上振れたのであれば文句はありませんが、下振れたのであれば、その原因を追求し、以降下振れないような打開策が必要です。
言ってみれば、予実管理は、PDCAサイクルを回すことと極めてよく似ています。
経営者としても、計画値よりも実績値が上振れて、勝ちが続いてくると、気分は良くなります。
経営者という生き物は、基本的に儲けることに貪欲なので、勝ちが混んでくると、さらに、勝つために必要なことは何か、もっと勝ち続けたいと考えるようになります。
こうなれば、予実管理は好循環を継続していくため、会社業績は改善し、良化することに直結します。
予実管理は経営改善が必要な会社に必要なイメージが強いのですが、好業績の会社であっても、より業績アップを目指し、企業価値を高めていくために、予実管理は極めて効果的なのです。
中小企業経営者は、予実管理を面倒くさいと思うのではなく、会社のサステナビリティを高めていくためにも、月次で予実管理を回していく必要があるのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。
