【中小企業の銀行対策】中小企業経営者が知っておくべき金融機関での人事異動の意味合いとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、金融機関における人事異動の意味合いについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 人事異動が組織を活性化させる
2 人事異動の究極の目的は不正防止である

どうぞ、ご一読下さい。

1 人事異動が組織を活性化させる

金融機関に限らず、大企業総合職のサラリーマンについて回るのが、人事異動です。
大企業のサラリーマンは、とかく人事異動のネタが大好きです。
同僚やうちうちの飲み会では、人事異動をアテにして飲み続けられるといっても過言ではないほどです。
「とうとう、うちの部長、左遷されたな。ザマアミやがれ」なんていうのが定番の人事異動のネタです。

傍目から見ても明らかに左遷人事がある一方、皆が「おー」と驚くご栄転人事もあります。
人事異動時に、昇格が伴ったりしますし、例え、平社員であったとしても、「次の自分のボスはどんな人が来るのだろう」と興味半分、不安半分です。
全てのサラリーマンにとっては、人事異動は切実なものなのです。

中小企業経営者が、仕事上で人事異動を実感させられるのが、取引金融機関における人事異動です。
部店長(支店長等)クラスは2〜3年で異動していきますし、担当者ベースでも、短くて2年半、長くても5年程度で異動がかかります。
担当者が転勤となれば、新旧二人の担当者が引き継ぎで会社にアポなしでやってきたりしますが、ウマが合う担当者であれば、(もっといてくれれば良いのに)と経営者としては思ってしまったりします。

とかく、中小企業においては、拠点の数が少なかったり、部署も限定的なので、中小企業経営者にとっては、人事異動は実感としてリアル感が乏しいのもかもしれませんが、人事異動の表向きの目的は、「組織の活性化」の一言です。
人が変われば、今までのやり方に疑問が出たりして、業務フローの改善につながることもあります。
確かに、「人事異動の目的は、組織の活性化なんですよ」と言われれば、多くの中小企業経営者は、「なるほどね」と頷かざるを得なくなります。
このように、金融機関には、人事異動は切っても切れないものなのです。

【中小企業の銀行対策】中小企業経営者が知っておくべき金融機関での人事異動の意味合いとは?

2 人事異動の究極の目的は不正防止である

中小企業経営者の視線から見える取引金融機関の人事異動は、取引している営業店での人事異動です。
担当者が変わったり、支店長が別の支店からやってきたりするわけですが、金融機関全体での人事異動は、とても複雑で、奇々怪界と言えるものです。

仮に、支店等の営業店100店舗以上、役職員3,000人超の金融機関は、地銀だと中位行のイメージになりますが、100以上の部店長(支店長等)がいて、人事評価をある程度反映させながら、一人一人の役職員を異動させるのは至難の技です。
この至難の技を取り仕切るのが人事部ですが、基本的に金融機関の人事評価は、減点法(間違っても加点法ではない)なので、いかに優秀な役職員でも、一発ペケがついて、人事部から睨まれたら、銀行員人生は閉ざされたも同然です。
まさに、人事部はお目付け役そのものなのです。

もっといってしまうと、金融機関は当然のことながら、おカネを扱っているので、組織風土としては、性善説ではなく、性悪説です。
数ヶ月前に明るみに出た某メガバンクの女性役席者の例を引くまでもなく、いまだに、金融機関での不正行為は枚挙にいとまがありません。

一人の人間が同じ部署で、同じ業務にずっと従事していて、チェックも十分行われなければ、どこかで魔が刺してしまって、不正行為が行われることはありうるのです。
このように考えると、金融機関における人事異動の究極的な目的は、不正防止の一言に尽きるとしか思えないのです。

一人の従業員が同じ業務に長年に渡って従事しているケースは、中小企業ではよくあるお話です。
特に、経理部門では、ベテランの経理担当者がいて、他の従業員は経理担当者の仕事の中身をよく知らないケースはなきにしもあらずです。

中小企業経営者の中には、性悪説ありきという社風を嫌う方が多くいらっしゃいますが、金融機関における不正防止を究極的な目的として人事異動の手法には、学ぶところがあるはずです。

不正行為は最初はごく小さなところから始まりますが、だんだん、当事者が麻痺してきて、不正の規模が大きくなり、会社の屋台骨を揺るがしかねない事態に発展しないよう、中小企業経営者は、常に目を光らせておく必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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