【中小企業の銀行対策】不動産が放つパワーとリスクとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、不動産が放つパワーとリスクについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 大都市部では不動産バブルが発生している
2 不動産がもたらすリスクも無視できない

どうぞ、ご一読下さい。

1 大都市部では不動産バブルが発生している

弊所では、基本的にわたくし北出が現場に出て、お客様の中小企業のお手伝いをさせて頂いているので、お客様から呼ばれればどこへでもうかがうというのが北出のスタンスです。

普段は、大阪にいて、地方に出向くことがしばしばあるので、お客様の銀行取引のお手伝いをしていることから、不動産はついて回るものなので、大阪も、地方も、それなりに不動産事情に接しているつもりではいます。

特に、大阪市内では、不動産バブルの様相を呈していて、空き地があれば、開発業者がこぞって土地を物色しています。
万博は終わったものの、まだまだ大阪ではイケイケで、もしかすると東京の不動産はもっと凄いことになっているのかもしれませんが、単純にそれだけを捉えると金利を引き上げる金融引き締めの必要性を感じてしまいます。

一方、全国的に地価が上昇傾向にあるとはいえ、地方では、まだまだ不動産価格が停滞しているエリアがなきにしもあらずで、空きテナントが目立つ雑居ビルも散見されます。

このように、大阪のような大都市部と地方では、不動産市況に大きな差があるのは否めないようです。

不動産市況の差は、銀行取引に大きなギャップを生じさせます。
大阪では、金融機関の営業店(支店等)が「店舗内店舗」方式で統合されて、駅前の営業店が立ち退いた跡地に、タワーマンションが開発され、即日完売という物件も見受けられます。
金融機関は、マンションディベロッパー向けに工事見合いの引当融資50億円を組成して、分譲開始に合わせて、マンション購入者の住宅ローンも丸抱えです。
金融機関としては、引当融資から住宅ローンを通算して、実質的に50億円程度の融資を35年超の超長期の与信(融資のこと)が出せて、かつ保全は担保物件でフルカバーとなるわけなので、金融機関としては笑いが止まらないくらいの美味しい物件です。
マンション購入者の住宅ローンの金額も、50百万円や下手をすると1億円という具合で、正直なところ、「そんな住宅ローン組んで大丈夫なんかな?」と他人事ながら心配になります。
返済期間が50年間という悪魔のような住宅ローンが出現するのも納得させられます。

このように、都市部の不動産が放つパワーはもの凄いものがあるのです。

【中小企業の銀行対策】不動産が放つパワーとリスクとは?

2 不動産がもたらすリスクも無視できない

不動産市況が活況な大都市部ですが、活況な不動産司教の恩恵を受けられている中小企業は実はごく一握りに過ぎません。
そもそも、創業20年程度の中小企業で大阪市内の自社物件の不動産を保有することは至難の業です。
新興市場に上場を果たしたような会社は、梅田や本町といった一等地に本社を構えますが、本社も他のオフィスもどれも賃借物件です。

他方、明治や大正時代に創業したような中小企業で、堅実に大阪市内で商いをしていて、土地の簿価が限りなく小さな金額で不動産を所有している中小企業は、不動産市況の活況を受けて、無限大に近いような倍率の含み益を内包していて、ちょっとやそっとのことではびくともしない会社も存在するのも現実です。

そうはいっても、金融機関からすれば、不動産担保は最もポピュラーな保全措置です。
いざ、融資先中小企業の業況が悪化すると、金融機関は不動産の担保余力を弾いて、万が一の時に、実損が出るのか、出るのであればいくらくらいなのかに最大限注力し、実損が出ないような範囲にまで与信を絞ることになります。

なんといっても、不動産担保は、登記簿に記載されるホワイト情報なので、競合する他行も、不動産担保の状況把握に注力するようになると、メインバンク、サブ行以下が、与信の回収合戦となってしまいます。
また、思わぬ外部要因によって不動産価格が下落して、不動産の担保余力が低下することも不動産が内包する大きなリスクということができます。

このように、不動産は大きなパワーを持っている一方、リスクも内包しているため、中小企業が保有する不動産は、諸刃の剣ということもできるかもしれません。

中小企業経営者は、「うちの会社は不動産をたくさん持っているから安泰である」とたかを括ることなく、不動産のパワーを活用しながら、本業が創出するフリーキャッシュフローを創出させていくことに注力する必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA