【中小企業の銀行対策】若手が教育されていると実感できる金融機関と取引すべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、若手が教育されていると実感できる金融機関と取引すべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 金融機関営業店の人手不足は深刻である
2 若手を育成できない金融機関に融資先の支援は望めない
どうぞ、ご一読下さい。
1 金融機関営業店の人手不足は深刻である
わたくし北出は、1993年(平成5年)春の社会人となりましたが、わたくしの世代こそが、バブル組最終組です。
翌年から金融機関や大手企業は一気に新卒採用を絞り込んで、程なく就職氷河期を迎えることとなるわけですが、就職氷河期といっても、もう30年も前のお話です。
一方、金融機関はバブル期に大量採用によって人材を囲い込んだ結果、2020年以降、バブル組が55歳の役職定年を迎えた結果、営業店(支店等)は深刻な人手不足に陥っています。
確かに、若手を中心に、どこの金融機関では集合研修を断続的に実施していて、弊所のお客様の中小企業経営者と一緒に、お客様の中小企業のメインバンクにお邪魔して、翌月のアポ調整をする際、若手の銀行員がびっくりするほど、集合研修を受けていることを実感させられます。
とはいえ、特に、営業店の融資課や融資係は、リスケジュール先や経営改善中の融資先にコミットすることになりますが、リスケジュール先や経営改善中の融資先の状況はまさに「一品もの」なので、集合研修だけで対応できるものではありません。
本来であれば、ベテラン・中堅の融資係の役席者が若手に「こういうケースではここが問題点やから気いつけなあかんのやで」という具合の究極のOJTを回すべきなのですが、ベテラン・中堅も目先の仕事で手一杯で、若手のOJTにまで手が回っていないケースが散見されます。
ベテランの融資役席が役職定年で営業店を去って、バックオフィスに篭ってしまうと、営業店の融資係は一気に戦力ダウンしてしまいます。
挙句の果てに、若手の融資係が「僕、あんまり融資のことってわからないんですよねえ」とシャアシャアと自らの経験不足を自慢してしまう有様です。
近時、どこの金融機関も「店舗内店舗」と言う方法で、事実上の営業店統廃合を進めていますが、効率化だけではなく、人員不足がその背景にあるのだと北出は考えています。

2 若手を育成できない金融機関に融資先の支援は望めない
以前、お客様の中小企業経営者と一緒にその会社のメインバンクに担当者を尋ねて打ち合わせをしていた際に遭遇したケースで、こちらが話を進めていくと、担当者が詰まってしまって、「ちょっとお待ち下さい。確認してきます」といって席を立って応接から出て行って、しばらく戻ってこないことがありました。
ようやく戻ってきたと思えば、「さっきの件ですが・・・」と教科書に載っているような一般論しか話ができず、さらに、こちらから話を進めていくと、またしても、「ちょっと、確認してきます」と席を立ってしまうと言うことが何度もありました。
おそらく、いちいち、役席者なりに質問しに行っていたのでしょうが、あまりに離席が多かったため、「役席さんに同席してもらった方がええんと違いますか」と指摘をさせてもらったのですが、最後まで役席者が応接に入ってくることはありませんでした。
こういってはなんですが、若手の勉強不足もさることながら、役席者か、次席かが、丁寧に対応すべきだと北出は感じました。
そもそも論として、若手を現場で育成できない金融機関が、融資先の支援などできるはずがありません。
一方で、ここぞと言うときは、役席者や次席(副支店長や次長等)だけではなく、部店長(支店長等)が同席して、部店長自ら若手に指示を出すような金融機関も現に存在します。
もちろん、担当者も、役席者も、次席も部店長も、所詮は生身の人間で、それぞれの考え方もあるだろうし、それぞれのやり方を否定するつもりはありませんが、少なくとも若手の育成度合いで、金融機関の姿勢が垣間見えることは間違いありません。
中小企業経営者は、金融機関として一括りにするのではなく、若手の育成一つとってみても、その金融機関の取り組み姿勢を見極めるバロメーターであることを認識する必要があるのです。

