【中小企業の銀行対策】BSの借方の相手科目が残る借入金を借入れるべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、BSの借方に相手科目が残る借入金を借入れるべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 なんとなくフワッと借りるのはもうやめよう
2 BSの相手科目に残る借入金が「良い借入金」である
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 なんとなくフワッと借りるのはもうやめよう
来月初旬には、多くの金融機関で短期プライムレートが引き上げられます。
ゼロ金利、マイナス金利の時には、現預金を手厚くできればいいかなと取引金融機関担当者から言われるままに、融資を受けてきた中小企業経営者は少なくないはずです。
しかしながら、金利のある世界が身を持って実感させられるようになった今、多くの中小企業経営者は「借り過ぎはいかん」であり、「意味合いが明確でない借入はすべきではない」と痛感していることかと思います。
賢い経営者であれば、金融機関担当者のノルマ達成のための借入金は、会社にとってフワッとしたものでしかなく、そのようなフワッとした資金を借りるのはやめるべきだと考えるはずです。
一方、物価高の影響は深刻で、少なくとも物価上昇分を上回るような増益を叩き出さないと、いずれ現預金が減っていくことは目に見えています。
人員削減などのコストカットは簡単なことですが、「いざ、攻めの経営に転じたい」となった時であっても、これだけ人手不足の世の中であれば、そう易々と優秀な人材を確保できる保証は何もありません。
とはいえ、取引金融機関から必要な融資を受けることができて、融資を受けた資金を攻めの経営に回すことができれば、その融資と資金は、会社にとっては重要な経営リソースです。
取引金融機関担当者に「攻めの資金」だからと、融資を引っ張った場合、それを放置することなく、不断の効果測定が極めて重要です。
融資の審査時に取引金融機関に提出した資金繰り表では、計画値に対して、実績値について毎月モニタリングで報告を怠ることなく、受けた融資が十分効果的な資金に充当されていることを取引金融機関担当者に示していくことが重要なのです。

2 BSの相手科目に残る借入金が「良い借入金」である
それでは、攻めの資金に対して、守りの資金とはどのようなものでしょうか?
守りの資金の典型的な例が、「後ろ向きの決済資金」です。
後ろ向きの決済資金の場合、目の前で払わなければならない買掛金や未払金等を支払うためのもので、後ろ向き資金実行後、買掛金や未払金を支払ってしまえば、BSの借方には何も残っていません。
これこそ、「後ろ向きの決済資金」そのものです。
一方、攻めの資金としては、増加運転資金であれば、借入金実行後にも、売掛金等が残って、売掛金は順次現預金に化けていきます。
中小企業の場合、取引関係の力関係上、どうしても弱くなりがちなので、売上増加局面では、資金が逼迫してしまいますが、取引関係の力関係上相対的に弱くなりがちな中小企業であっても、増加運転資金の借入金を適宜借り入れることで手元流動性を維持し、得意先からのニーズに応えることができるのです。
同様に、設備資金でも同じことが言えます。
生産設備を増強することによって、生産活動の安全性を高めたる、慢性的な残業を削減することができれば、従業員が早く帰宅できるようになり、従業員が家族とこミュニケーションを取る時間を増やすこともできます。
生産性向上だけではなく、従業員満足度を上げる効果も期待できるのです。
借入金で設備投資を行なっても、生産設備がBSの借方、固定資産に残ることとなり、返済原資も減価償却で賄うこともできます。
このように、中小企業経営者は、金利上昇局面であっても、相手科目がBSの借方に残るような攻めの経営にチャレンジする必要があるのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

