【中小企業経営者の心得】3月決算の中小企業が決算整理を急ぐべき理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、3月決算の中小企業が決算整理を急ぐべき理由について考えます。
1 世の中、3月決算の会社は間違いなく多い
2 多忙な会計事務所と協力して決算を締め上げる
どうぞ、ご一読下さい。
1 世の中、3月決算の会社は間違いなく多い
新年度がスタートして、早3週間が経過しました。
役所では年度が改まり、人事異動が発令され、新年度予算も順次執行されています。
金融機関をはじめ、上場企業の多くが3月決算ということもあり、世の中、人心一新という雰囲気です。
中小企業の場合、ほとんどの業種、業態で3月決算にこだわる必要はありませんし、会計事務所が依然として繁忙期にあるため、3月決算の決算は、決算整理で会計事務所と経理担当部署が連携して、決算を詰めていきますが、なんとなく気忙しい感じです。
3月決算の中小企業が多い理由として、創業者が3月末でサラリーマンを辞めて、4月に会社を立ち上げたことで、12ヶ月決算なので、自然に3月決算の中小企業が増えてしまったことが考えられます。
世の中の新年度と会社の新年度を重ね合わすことで、経営者自身が初心に帰ることができるのが、3月決算なのかもしれません。

2 多忙な会計事務所と協力して決算を締め上げる
弊所が協力関係にある会計事務所もご多分に漏れず、現在、繁忙期です。
3月15日の個人の確定申告終了から息つく暇もなく、3月決算の中小企業の決算を締め上げていかねばなりません。
3月決算の中小企業の決算申告期限は5月末(今年は曜日の関係上、6月2日)ですが、月次決算の精度を甘いと、決算整理に時間がかかってしまって、税務申告が申告期限ギリギリになってしまいます。
一方、取引金融機関は、3月決算の融資先の新しい決算書を早期に徴求したがります。
中でもメインバンク担当者は、「社長、決算書の出来具合はいかがですか?」と前のめりで、決算書の開示を求めてきます。
取引金融機関への心証を少しでもよくするため、申告期限ギリギリに申告をして、取引金融機関に決算書を提出するのが6月中旬というようなことは極力避けねばなりません。
一方、会計事務所としてもゴールデンウィークがある関係で、稼働日数が少ないのもこの時期の特徴です。
ゴールデンウィーク前には、決算整理前の試算表が出来上がり、在庫等現物をしっかりと合わせて決算整理を行なって、5月20日頃には税務申告が完了し、速やかに決算書を取引金融機関各行に提出するのがスケジュール的に望ましいと言えます。
また、決算書についても、経営者が前期との比較や外部要因の影響などをまとめて、決算内容を総括して、経営者自身が自らの言葉で決算説明ができればなおよしです。
その際に、例えば、複数の事業部門がある場合には部門別損益がわかるような付帯資料を揃えれられれば完璧です。
中小企業経営者は、3月決算の会社が世の中には多いことを認識して、決算整理を経理担当部署に任せっきりにすることなく、主体的に税務申告が早期に行えるよう、弛まぬ努力を惜しまないことが重要なのです。