【中小企業経営者の心得】経営者が求めるべき専門家の資質とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、経営者が求めるべき専門家の資質について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 「専門家」と呼ばれる人は様々である
2 優秀な専門家は難解なことをわかりやすく表現する
どうぞ、ご一読下さい。
1 「専門家」と呼ばれる人は様々である
中小企業であっても、「専門家」と呼ばれる人たちと何かしらの繋がりがあります。
中小企業経営者にとって、最も身近な存在が、顧問税理士さんです。
会社の決算を仕切ってもらって、最終的に年一回の税務申告の他、月次の試算表を作成してもらったりするので、中小企業経営者にとっては、何かと頼れる存在です。
わたくしどもは、経営コンサルタント事務所として、特に、金融機関との取引に関わるお手伝いをしていますが、金融機関との取引は多岐に渡りますし、特に、メインバンクとの信頼関係構築に当たっては、お客様の会社のことだけではなく、個人保証(経営者保証)に関わるため、オーナー社長の個人的なところまで手を突っ込ませていただくことが少なくありません。
一方、経営コンサルタントの事務所としては、事務的に作業を行ったり、アドバイスを行ったりするところもあって、世間で言われる専門家と呼ばれる人は、実に多様で、様々です。
いずれにしても、士業の先生方や、経営コンサルタントは、中小企業経営者にとっては、よき助言者でなければなりません。
総務、経理、人事、企画といった戦略部門で、かつ間接部門が大企業と比較して人員を多く割けない中小企業にとっては、士業や、経営コンサルタントは経営者から求められることはむしろ多いのかもしれません。
弊所としても、お客様の中小企業経営者の縁の下の力持ちとして、しっかりと役割を果たしていかなければならないと認識を新たにしています。
2 優秀な専門家は難解なことをわかりやすく表現する
中小企業経営者にとってブレーンとなりうる「専門家」と呼ばれる人たちですが、あまたいる「専門家」の中で、優秀な専門家とはどのような人でしょうか?
考えてみます。
専門家のキャラクターとして、経歴を重視する向きがあります。
偏差値50程度の大学卒よりも京大卒の方が優秀な可能性が高いと言えます。
とはいえ、学歴や経歴だけで、専門家のキャラクターを計ることは早計かもしれません。
わたくし北出が、士業の先生方やコンサルの人たちを見てきて、「この人、めちゃくちゃ優秀やな」と思える条件の一つが「難解なことをわかりやすく表現する」ことです。
その昔、全国放送の夜のニュース番組で、コメンテータとして出演していた自称「経営コンサルタント」がいましたが、経歴詐称が週刊誌に暴かれて、番組を降板し、他のメディアからも姿を消してしまった人がいました。
その自称「経営コンサルタント」の方を当時番組で見ていて、「この人、難しいことをさらに難しく言っている」と不思議な気がしたものです。
自称「経営コンサルタント」の話はさておき、専門家はついつい専門用語を多用してしまいがちです。
専門家は、大して意識せずに、いつもと同じように専門用語を使っているのですが、一般の人からすれば、「何言ってんのか、さっぱりわからへん」となってしまいます。
特に、経営者の場合、少なからず経営者としてのプライドからか、「それって、どういう意味ですか?」と素直に質問できず、さらっと流してしまいがちです。
他方、優秀な専門家は、極力、専門用語を排して、相手がちゃんと理解しているかどうか、相手の反応を見ることができます。
極力、専門用語を排して、わかりやすく表現するためには、かしこまって説明するだけではなく、スライドを使ってプレゼンしたり、冗談をかまして相手の受けをとりながら、理解を深めたりします。
わたくし北出は、表現力アップを狙って、漫才や落語を趣味で見るようにしています。
中小企業経営者にとってブレーンとなりうる専門家をうまく使って、企業価値の向上を図っていくことも必要かもしれません。