【中小企業経営者の心得】中小企業版稟議制度導入のメリットとは?

今日は、中小企業経営者の心得として、中小企業版稟議制度の導入のメリットについて考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 「書面で仕事をする」文化を定着させる
2 稟議書で記録に残して責任の所在を明確化する

どうぞ、ご一読下さい。


1 「書面で仕事をする」文化を定着させる

大企業と中小企業との差として挙げられるのが、書面で仕事をしているか否かです。
大企業は、案件を発案し、当該案件に取り組むべき理由を明確化し、上長の意見が付され、決裁者が最終的に決裁するという社内の仕組みが回るような業務フローを採用しています。

他方、中小企業の場合、担当者が責任者の決を取るときでも、口頭で了解を取っていたり、下手をすると、担当者が慣例的に独断で案件を進めているケースが散見されます。

平時では担当者が慣例的に独断で案件を進めていても支障はないのかもしれませんが、例えば、取引先とトラブルになったり、不採算取引が発生してしまったりした際には、事態を収拾するために必要な情報を集めることが難しくなってしまいます。
最悪、「言った、言わない」というようなトラブルに発展してしまうと、せっかくのお客様との取引を失ってしまうことにもなりかねません。

案件の成否に関わらず、「書面で仕事をする文化」を中小企業であっても社内に定着させることによって、会社が成長し、組織化する際に有効です。
最初は、従業員からは、「面倒臭い」だとか、「俺ら、信用されてへんのやろか」と不満が噴出することも想定されますが、「書面で仕事をする」文化が定着することによって、案件のプロセスを記録に残すことができ、結果的に従業員を守ることにもつながるのです。

【中小企業経営者の心得】中小企業版稟議制度導入のメリットとは?

2 稟議書で記録に残して責任の所在を明確化する

多くの大企業で、「書面で仕事をする」仕組みとして採用されているのが、「稟議制度」です。
中でも、金融機関では、不良債権の発生を最小限度に収めるため、決裁権限を債務者区分、信用格付などで厳格に定めていて、融資の審査は例外なく「稟議」で決裁されています。
「稟議」の手続きで使用されるのが、「稟議書」です。

中小企業においても、新規得意先との取引開始時や得意先への取引枠の増額、仕入れの購買時など、会社にとって与信にかかわるような取引に関しては、担当者ベース、部長級、役員級、社長といった具合に決裁権限を明確にして、稟議制度を導入することを検討すべきです。
取引開始時の経緯、会社が得られる便益などを明文化できれば、稟議書の書式は、自社の実情に合致した比較的簡便なもので十分です。

中小企業版稟議制度の導入は、会社のステージを上げる良いきっかけになることは間違いありません。

中小企業う経営者は、「書面で仕事をする文化」を自社に定着させるべく、自社にマッチした形での中小企業版稟議制度の導入を検討してみてはいかがでしょう。

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