【中小企業の銀行対策】セグメント別損益を把握する重要性とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、セグメント別損益を把握する重要性について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 会社全体の損益からセグメント別損益把握へ
2 稼げていないセグメントを洗い出して改善策を実行に移す
どうぞ、ご一読下さい。
1 会社全体の損益からセグメント別損益把握へ
弊所では、お客様の中小企業の損益状況をいち早く把握するために、お客様の会社の試算表をより早くアップデートできるよう、会計事務所の協力を得たり、社内の経理担当者に対して、配慮をさせて頂いています。
試算表のアップデートは、より早いに越したことはありませんが、年商10億円以内位の中小企業であれば、前月の試算表を当月20日前後にはアップデートすることで、金融機関へのモニタリングがある程度タイムリーに行うことができます。
他方、試算表は、あくまでも会社全体の1ヶ月間の損益状況と月末時点の資産・負債の組み合わせを表したものですが、中小企業といっても、複数のセグメントが存在したり、取扱品目が1種類のみというケースはむしろ少ないのが実態です。
試算表によって、会社全体の損益状況は把握することができますが、どのセグメントや取扱品目が儲かっていて、あるいは稼げていないというのは試算表では把握困難です。
このため、弊所では、必要に応じて、お客様の会社のセグメント別損益計算書を作成し、お客様の会社の取引金融機関に明示するようにしています。
稼げているセグメントや取扱品目は現状維持でも構いませんが、中には会社全体の損益の足を引っ張っているセグメントや取扱品目がなきにしもあらずです。
とはいっても、稼げていないからといって簡単に撤退してしまうのは惜しいお話ですし、経営者としては、極力商いを限定的にしてしまうことを良しとするべきではありません。
中小企業経営者の肌感覚としては、「このセグメントが問題なんやろな」と理解はしているものの、実際、稼げていないセグメントをテコ入れするためにも、セグメント別損益把握は経営上の喫緊の課題といえます。

2 稼げていないセグメントを洗い出して改善策を実行に移す
ともすると、経営者の心のどこかには、「このセグメントに問題あり」という現実を突きつけられたくない」という気持ちがあるのかもしれません。
しかしながら、稼げているセグメントと儲かっていないセグメントが会社の中で混在していては、会社全体としてのポテンシャルを上げることは叶いません。
稼げていないセグメントや取扱品目を把握するためにも、セグメント別損益を把握し、現状の課題を洗い出し、改善策を打ち出して、速攻で実行に移していかねばなりません。
稼げていないセグメントを多少稼げるような状況にまで改善することができれば、会社全体の収益はアップして、フリーキャッシュフローも増加します。
フリーキャッシュフローの増加は、借入金の元本返済へのストレス軽減に直結します。
フリーキャッシュフローの増加こそ、中小企業経営者の実現させたいことの筆頭格です。
このように、稼げていないセグメントを把握して、その問題点を洗い出し、収益改善策を立案して、それを実行していくことは、中小企業のサステナビリティアップに繋がり、経営者自身の心身への負担軽減にも直結します。
トランプ合衆国大統領の保護主義的な政策によって世界経済が不透明感を強めている中、稼げていないセグメントを改善して、会社全体の収益アップを実現することは極めて意義深いことです。
中小企業経営者は、会社全体の試算表だけで満足することなく、セグメント別の損益を把握し、課題を洗い出すこと自体、取引金融機関の信用格付の向上にも繋がることを認識して、自社の稼ぐ力を研ぎ澄ますための弛まぬ経営努力が必要なのです。