【中小企業経営者の心得】自社の「売る力」を強化しなければならない理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、自社の「売る力」を強化しなければならない理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 トップラインが上がらないと物語は始まらない
2 リストラだけでは本物の収益改善につながらない
どうぞ、ご一読下さい。
1 トップラインが上がらないと物語は始まらない
中小企業といっても、どの会社も営利目的の会社です。
利益を追求して、キャッシュを稼いで、従業員にもしっかりと還元するのが中小企業の使命といっても過言ではありません。
仮に利益を増やそうとしたり、収益を改善しようとした時に、売上高(トップライン」が立たないことには、何も始まりません。
物語を紡いでいくことができないのです。
このため、卸売業や製造業などの多くの中小企業では、営業部門を設置して、「売ること」に専念する部隊を展開しています。
もちろん、商品力や技術力、価格競争力は必要ですが、最後は、営業部隊個々の人間性から、お客様との信頼関係を深めることが重要です。
営業という仕事柄、時折、お客様に無理をお願いせざるを得ない場合がどうしても出てきます。
そんな無理なお願いをした際に、「あんたが言うんなら、しゃあないね」とお客様に言わせれば、しめたものです。
近年では、営業で求人をかけてもなかなか人が集まらない状況が続いていますが、個々の人間性を研鑽するためにも、営業という仕事は非常に重要で、楽しいものだと北出は勝手に考えています。

2 リストラだけでは本物の収益改善につながらない
それでは、売る力、営業力を強化しなければならない理由についてさらに掘り下げてみることにします。
収益が悪化して資金繰り余力が低下したり、財務体質が脆弱である中小企業には、経営改善が必要です。
経営改善を行う場合、経営改善計画書を策定し、債権者に提示をして、合意を得る必要が出てきます。
その際、経営改善計画書の中で、具体的な収益改善策を「アクションプラン」として明文化します。
収益を改善する際に必要なことは、
①売上を引き上げる
②コストをカットする
③①と②の両方を推進する
の3点になりますが、②のコストカットが一番簡単です。
コストカットが一番簡単な理由は、会社が主体的に行うことができるからです。
仕入先を見直して原材料費を削減する、この経費を削る、社員3名をリストラするといった具合に、自社手動でできることばかりです。
一方、売上高を引き上げるのはそう簡単なことではありません。
そもそも、同業他社との競合がありますし、なんといってもお客様という相手があるお話なので泥臭く、粘り強くお客様と交渉を続けることが肝心なことです。
売上高を前年同月比10%増と言っても、それが実現できるか極めて不透明なのです。
このため、同業他社との競合にあたり負けることなく、お客様との信頼関係が構築できていて初めて、売上高を引き上げることができるのです。
このように、売上高を増やすのはそう容易いことではありません。
中小企業経営者は、常日頃から営業力の強化を図りつつ、営業マン一人一人が会社を代表しているからこそ、営業現場では苦労をしていることを認識して、営業マン一人一人のケアが必要なのです。


