【中小企業の銀行対策】長期未収滞留債権に対する適切な対応方法とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、長期未収滞留債権に対する適切な対応方法について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 取引を切ったら回収の見込みはなくなる
2 未収先との粘り強い交渉で取引を継続しながら徐々に回収していく

どうぞ、ご一読下さい。

1 取引を切ったら回収の見込みはなくなる

どの業種であっても、卸売業、問屋は、製造業や小売業と比較すると、どうしても利幅が薄くなってしまいます。
言葉は悪いですが、薄利多売というのが卸売業、問屋さんの宿命で、利幅が薄いため、万が一にも得意先が法的措置に移行したら、売掛金は焦げるわ、在庫は回収できなくなるわで、ダブルの損害を被ってしまいます。

他方、かつて、紙の手形・小切手が全盛の時には、手形・小切手を切ったからには、期日に1円でも足りなければ容赦なく手形交換所から不渡が交換所参加の全ての金融機関に通知されたため、不渡だけは絶対に回避しなければならなかった時代がありました。
売掛金の入金が滞ってきたら手形、もしくは先日付小切手を得意先に切らせたものですが、紙の手形・小切手の流通がほぼなくなり、電子債権に移行していますが、電子債権の利用は実は多くはなく、卸が得意先に請求書をひたすら送って、営業担当がひたすら入金をお願いするというのが現実的になってしまいました。
言葉は適切ではないかも知れませんが、支払が滞っても不渡は出ず、ある時払いというのが今の現実です。

現に、お客様の中小企業の勘定科目明細書や総勘定元帳の「売掛金」のページを拝見すると、売掛金の入金を示す貸方への金額が少なかったり、記載がなくなっていたりして、長期未収滞留債権が発生していることがわかります。
取引上、力関係が相対的に弱い中小企業の場合、営業担当が強く得意先に入金を督促することが憚られてしまいがちです。
気がつくと、4ヶ月分も滞留状態になっていたりしていて、長期未収入金債権の存在は珍しいものではなくなっているのです。

とはいえ、長期未収入債権の得意先だからといって、「御社からお支払い頂けないので、取引はこれっきりにさせてもらいます」と啖呵を切るのは簡単なことです。
しかしながら、「これっきりね」とさようならしてしまうと、おそらく長期未収入滞留債権の回収の望みは絶たれてしまいます。
超君収入滞留債権の得意先だからといって、啖呵を切って「これっきりね」とも言えないというのが現実なのです。
手形・小切手もなく、ある時払いという難しい世の中になってしまったものです。

2 未収先との粘り強い交渉で取引を継続しながら徐々に回収していく

超君収入滞留債権への対処方法は、実に難しいものです。
このため、啖呵を切るのではなく、まず、相手とじっくりと対話を交わすことが長期未収滞留債権への対処方法のファーストステップです。
こうした相手との交渉は極めて難しく、少なくとも相手方の資金繰りに余裕がないことは容易に想像がつくので、啖呵を切って、「ふざけやがって、この野郎め」とかましてしまったら、交渉にも何もならずぶち壊しになってしまいます。
できれば、このような交渉には、営業担当者だけではなく、営業部長がいれば部長が、部長がいなければ役員が、営業担当役員がいなければ社長が同席するのが望ましいことは間違いありません。
まずは、相手の現況をヒアリングして、「うちの会社も厳しいんですわ」と泣きを入れることが重要であることは言うまでもありません。
そして、「今までの長いお取引もありますので、引き続きお取引を継続させていただき、なんとか、通常の買掛金に加えて、分割払いで長期未収の分を上乗せしていただけませんか」と相手に譲歩する姿勢が欠かせません。
そもそも、相手方も、支払が遅れてしまって迷惑をかけているという後ろめたいところがあるはずなので、こちら側が粘り強く現実的な解決方法で折り合いたいという姿勢を見せれば、相手方も無碍にはできません。
相手方も「仕入先の社長がやってきた」となれば雑魚が対応するわけにはいかなくなって、相手方の社長も出てくる可能性が高まります。
この手の話は、大将同士が大人の話し合いで解決するのが何より大切です。

そこ交渉の過程で、分割払いが3年程度に及んだとしても、むしろ「一括で払う」と相手が啖呵を切ってしまうとその約束が果たされない可能性が高まるので、現実的にある程度長期にわたる分割払いで折り合うことが現実的です。

取引金融機関の側も、長期未収入金の売掛金の存在を注視しています。
長期未収金の売掛金の存在は、資金繰りに悪影響を及ぼすため、いくら試算表のPL上で利益が出ていたとしても、売掛金の回収がままならなければ、リスケジュールの予備軍にもなりかねないのです。
決算書の勘定科目明細の「売掛金」のところに、前期末と同じ会社の名前、同じ金額が記載されていたら、間違いなく金融機関の側は長期未収滞留債権の存在を疑います。

得意先との取引関係を維持するため、取引金融機関からの信頼を得るためにも、長期未収滞留債権の撲滅は中小企業にとって重要な経営課題の一つです。

中小企業経営者は、長期未収入滞留債権の存在を見ぬふりをして、営業担当者や営業部長任せにするのではなく、資金繰りにも悪影響を及ぼしかねない長期未収入滞留債権への対応を自らが指揮して、対応する必要があるのです。

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