【中小企業の銀行対策】営業損益で利益を計上することの重要さとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、PL上の営業損益で利益を計上することの重要さについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 営業損益は正味の商売の損益のシンボルである
2 営業外収益での益出しは金融機関の審査上決してプラスに働かない

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 営業損益は正味の商売の損益のシンボルである

中小企業経営者にとって、決算書と試算表の上での最上段の売上高と最下段の当期純損益に注目が行きます。
特に、営業畑の社長にとってみれば、売上がどのくらい伸びたのか、間違っても減収となってはいけないという意識が強く働くため、売上高がいくらなのかについて、最大の関心を払います。
中小企業はどこも営利企業であるわけですから、当期純損益がマイナスになることは経営者として我慢ならないところです。

改めてなのですが、損益計算書(PL)の構造を見ておきたいのですが、PLの最上段に売上高が計上されていて、その直下に売上原価がぶら下がります。
売上高から売上原価を差し引きしたものが売上総利益で、いわゆる「粗利(アラリ)」というやつがあって、売上総利益を売上高で除したものが、売上総利益率です。
ここ最近は、業種、業態を問わず、原価の上昇が収益圧迫要因となっていることから、売上総利益率は、総じて下落傾向です。
売上総利益率は、会社の儲ける力を表す重要な指標なので、弊所としても、お客様の中小企業に関して、売上総利益率の推移は特に注視しています。
売上総利益から、営業や内勤業務で発生する販売費及び一般管理費(いわゆるハンカンヒ)を控除したものが、営業利益です。

この営業利益が金融機関の審査の場でも、極めて重要視されるものです。
営業利益こそが、本業での稼ぎ具合を象徴しているものです。
営業利益から営業外収益をプラス、営業外費用をマイナスしたものが経常利益です。
このうち、営業外費用の大半は金融機関からの借入金に係る支払利息が占めることになります。

さらに、不動産等固定資産の売却に伴う売却益や売却損を特別損益で調整して、税引き前当期純利益が計上され、法人税等を差し引いたものが、税引き後当期純利益となります。
ただし、支払利息を除いた営業外損益や特別損益はいわば突発的な損益でしか過ぎません。

繰り返しですが、本業で稼げているかどうかを象徴するのが営業利益で、営業損益で利益が出ていない会社は、金融機関の審査上、決してプラスには働くことはないのです。

【中小企業の銀行対策】営業損益で利益を計上することの重要さとは?

2 営業外収益での益出しは金融機関の審査上決してプラスに働かない

一部の中小企業の中には、節税を目的として、保険で現預金を社外、簿外に移しているケースが見受けられます。
確かに、実効税率で40%程度にも上る法人税の負担は中小企業にとっては相当重荷であることは間違いありません。
保険で現預金を簿外で逃す際には、販管費の中で保険料をドカッと計上しますが、その保険料計上によって営業外損益でマイナスになってしまいます。

一方、一旦社外に逃した現預金を運転資金として社内に戻す際には、営業外収益として受領した保険金相当額を計上することになります。
この場合、経常損益ではプラスになるものの、本業での儲けを示す営業損益がマイナスになってしまうと、結果的には、金融機関の審査上、プラスに働くことはありません。

もちろん、節税が目的であること、簿外に逃している現預金の金額を明確にすることによって、取引金融機関の支援姿勢が大きく揺らぐことはありませんが、本業で儲けが出ていないと金融機関が認識しないよう、中小企業経営者は保険に関して懇切丁寧な説明が必要になります。

中小企業経営者は、取引金融機関との関係性を良好に維持するため、過度な節税を行うことなく、保険での節税は適切な範囲内で行うことと、保険での節税について、取引金融機関各行に適宜懇切丁寧な説明が求められることを忘れてはならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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