【中小企業の銀行対策】役員報酬をケチってはいけない理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、役員報酬をケチってはいけない理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 社長といえどもプライベートでは夫であり父親である
2 役員報酬が少なすぎて社長向け貸付金が増えるのは最悪である
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 社長といえどもプライベートでは夫であり父親である
「役員報酬はいくらにすべきか?」。
少なからず、中小企業経営者の悩みどころになっているはずです。
この問いはとても、難しく、簡単に答えが出せるものではありません。
その理由は、社長という社会的に高い地位があるといっても、プライベートでの生活ぶりは千差万別だからです。
年商50億の会社の社長であっても、意外にプライベートは質素であったり、一方では、夏季休業時には、円安をもろともせず、家族でハワイでバカンスを楽しむことを恒例行事としている社長もいることでしょう。
「役員報酬はいくらにすべきか?」という問いは一言で答えが出せるものではないのです。
しかしながら、これだけは間違いなく言えるのですが、社長とそのファミリーが社会通念上、普通に生活できることのできる役員報酬を取ることがその問いの答えです。
社長といえども、会社を離れて、帰宅すれば、一人の夫であり、子供たちの父親です。
社長を含めて、彼ら彼女らが生活に困窮することがあっては断じてなりません。
また、会社が万が一にも窮地に陥って、銀行融資を待っていられないような急ぎの資金が必要となった際には、社長が一時的にせよ資金を立て替える必要が出てくるかもしれません。
このため、万が一の時に備えて、一定程度の貯蓄等の資産を形成しておくことも必要です。
また、社長という立場上、会社の中ではプレッシャーだらけで身を削ることが多々あるわけなので、帰宅してからは安心できる家庭環境を作る必要があるため、普通の生活を送るのに支障がないような役員報酬を取っておくことが重要なのです。

2 役員報酬が少なすぎて社長向け貸付金が増えるのは最悪である
一方で、真面目な社長ほど、(役員報酬を下げないと銀行から文句を言われるかも)とついつい弱気になってしまいます。
また(個人の税金と社保を少なくしたいから役員報酬を下げとこう)とせこいことを考えがちです。
しかしながら、まず、会社が実態BS上で資産超過を維持して、毎期利益が出ていて、約定返済に足りるようなキャッシュフローを創出できていれば、取引金融機関から役員報酬を下げるように言われる言われは全くありませんし、現に、そんなことを言う担当者はいないはず(もしもそんなことを言うような担当者なら「ふざけんな」と啖呵を切ってやって下さい)です。
他方、2期連続赤字に陥ったり、BSが脆弱であったり、ましてや取引金融機関各行に条件変更(リスケジュール)をお願いしているケースであっても、過度な役員報酬の減額は好ましくありません。
計画書を策定する中で、どうしても役員報酬の減額が必要であれば、「姿勢を見せる程度」で役員報酬を少々減額しておく程度にとどめておくべきです。
過度に役員報酬を減額してしまうと、社長が帰宅をした途端、奥さんから「あんた、下の子の学費、どうするつもりや? こんな給料で生活やれへんでしょ!」とキレられたら、経営改善に取り組むモチベーションも削がれてしまいます。
結局、家計で足らずまいの分が出てしまうと、会社以外に収入源のない社長は、会社からお金を借りることになり、BS上の貸付金がどんどん膨らんでしまいます。
貸付金が膨らんでしまうと、取引金融機関も支援継続に難色を示してしまうことになってしまうので、過度な役員報酬減額は厳に控えるべきなのです。
中小企業経営者は、自らの会社を守ることはもちろん、自身の家族のケアも忘れてはならないのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

