【中小企業の銀行対策】リスケジュールがゴールではない根本的な理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、リスケジュールがゴールではない根本的な理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 「借りたカネは返さなければならない」が大原則である
2 収益を改善してフリーキャッシュフローを増やして返済原資を創出する

どうぞ、ご一読下さい。

1 「借りたカネは返さなければならない」が大原則である

その昔、住数年前のこと、「借りたカネは返すな」という本がバカ売れしました。
曰く、保証協会に代位弁済してもらって月々千円ずつ返せば良いとか、社長のお友達に自宅を競売で落としてもらって引き続き居住し続ければ良いとか、中小企業経営者からすれば、「そんなん、俺もなんとかしてもらえへんのやろか」と考えても不思議ではありませんでした。
しかしながら、それらの手法の多くが「詐害的な行為」として債権者から糾弾され、「借りたカネは返すな」という本も下火になっていきました。

令和の今になっても、旧中小企業金融円滑化法に準じた形で、債務者からの返済条件の緩和の要請について、柔軟に対応するよう、行政庁が金融機関に行政指導を行っています。
基本的には、例えば反社会的勢力が関与するような特殊なケースを除けば、金融機関は、債務者中小企業からの返済条件の変更(リスケジュール)に柔軟に対応しています。

もちろん、外部要因に突発的な事象によって収益が急速に悪化し、手元流動性が低下したことによって、従業員の雇用確保を含めた事業継続を目的として、リスケジュールは一定の合理性があることは疑う余地はありません。

しかしながら、「借りたカネは返さなければならない」というのが商道徳上の当たり前のお話ですので、リスケジュールをしても、それはあくまでも一時的な措置です。
半年後、1年後、2年後には元本返済を再開して、返済額を着実に増加させていくことが最も大事なことで、返済額を着実に増加させていくことこそが、持続可能性(サステナビリティ)を高めていくことに直結するのです。
詰まるところ、借りたカネは返さなければならないのです。

【中小企業の銀行対策】リスケジュールがゴールではない根本的な理由とは?

2 収益を改善してフリーキャッシュフローを増やして返済原資を創出する

実際、専門家がリスケジュールに当たって、経営改善計画を作成している場合でも、策定された経営改善計画の意味合いを正しく理解している中小企業経営者は、実のところ少数派です。
せいぜい、現進行年度である計画0年目は元本返済額を0円として、計画1年目は月額150千円、計画2年目は月額250千円といった具合に、元本返済額について認識していて、「徐々に増額していかなあかんのやな」というくらいの認識でいるケースが少なくないのです。

そもそも論として、資金繰りが良化する前段階で、発生ベースの損益で収益改善が必要となることをまずは理解すべきです。
発生ベースの収益の変化があって、一定程度のタイムラグがあって、正味の資金繰りに影響が出てくるのです。
資金繰りを良化させることをありきにするのではなく、まずは発生ベースでの利益を増やして、それから資金繰りが改善するため、これだけのフリーキャッシュフローが創出されて、そのうち50%を元本返済に充当していくという基本的なプロセスを理解しなければ、収益改善と資金繰り余力アップには繋がらないのです。

収益(PL)を改善して、発生した当期純利益に内部留保として社外流出させることなく蓄積して、傷んでしまった実態ベースのBS(貸借対照表)の実質債務超過を解消しながら、有利子負債(借金)を10年間で返済できるような十分なフリーキャッシュフローを得るようになって初めて、リファイナンスを実現することができるようになります。
リファイナンスを実現して、実態ベースでの実質債務超過を解消することで、債務者区分を正常先に回帰させ、普通の会社に戻していくことが経営改善計画のゴールです。
普通の会社に戻って、債務者区分を正常先に回帰させることができれば、追加のニューマネーの調達ができるようになって、攻めの経営を実現することが可能になります。

リスケジュールの実務はなかなか難しく、銀行員も経験値の浅い融資係にとっては容易なものではないというのが現実です。

リスケジュール中、あるいはリスケジュールを検討している中小企業経営者は、しかるべき専門家の適切なアドバイスを得て、リスケジュールという重たい経営判断を下す必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

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