【中小企業の銀行対策】多くの金融機関で短プラ引上げ実施日が2月2日に設定された理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、多くの金融機関で短プラ引上げ実施日が2月2日に設定された理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 月末が土日になる場合には口座振替引き落とし日は翌月月初になる
2 月末の長期約定返済分の借入利率は引上げ後の利率が適用される
どうぞ、ご一読下さい。
1 月末が土日になる場合には口座振替引き落とし日は翌月月初になる
1月の金融機関営業日は本日1月30日が最終日となります。
お正月から始まった1月は、新年の恒例行事などもあり、中小企業経営者にとってはあっという間の一カ月となったはずです。
本来の月末は1月31日ですが、1月31日が土曜日に当たるため、月末分の口座振替は2月2日月曜日に引き落としとなります。
多くの中小企業において、月末のお客様からの入金が集中する一方で、諸経費の引き落としも数多くあります。
1月31日付の金融機関の借入金の約定返済日も同様に、2月2日となり、入出金が錯綜するため、経理担当者としては気を抜けない一日となります。
他方、先だって、多くの金融機関が、日銀の政策決定会合の決定を受けて、一昨年の秋から通算すると3度目の短期プライムレートの引き上げを実施します。
弊所が活動している関西で展開している金融機関のうち、短期プライムレート引き上げ実施日を2月9日に設定している三井住友銀行を除けば、メガバンク以下、大手金融機関、地方銀行各行はこぞって2月2日に短プラ引き上げを実施します。
引き上げ幅は各行ともに0.250%で横並びとなっていて、短プラ引き上げに先立って、各校共、預金金利は引き上げを実施済みです。
短プラの引き上げ幅だけ見ると、0.250%であるため、一見すると、「大した引き上げやないな」と中小企業経営者の目には映りがちです。
しかしながら、一昨年の秋以降、短プラ引き上げは3度目になっていて、一昨年秋以降からの通算したタンプラ引き上げ幅は0.650%に達してます。
1億円の借入金の年間の支払利息の増加額は650千円になっていて、元本返済が進むにつれて支払利息は減少していくとはいえ、支払利息は文字通り、固定費化しています。
さらに、債券相場の動向と日銀のスタンスからすると、そう遠くない将来には、もう一段の利上げが予想されます。
短プラ引き上げによる支払利息の増加が中小企業のPLにボディブローのように効いてくることが予想されます。
更なる短プラ引き上げによっては、虎の子の営業利益が吹き飛んでしまうことさえ起こり得るのです。
中小企業経営者は、短プラ引き上げによる支払利息の増加を見込んで、より一層の収益改善を図る必要があるのです。

2 月末の長期約定返済分の借入利率は引上げ後の利率が適用される
上記の通り、中小企業経営者にとってみれば、短プラ引き上げはコストアップでしかないため、極力先延ばしにしたいと言うのが本音のところです。
そこで考えたいのですが、三井住友銀行を除いた多くの金融機関が短プラ引き上げ実施日を2月2日とした理由です。
引き上げ実施日が2月2日と言われれば、感覚的に「2月に入ってから金利が上がるんやな」となって、「もうちょい先の話やから後々考えよ」となってしまいがちです。
しかしながら、1月末の返済分の返済日は上記の通り、土日の関係で2月2日です。
引き上げ後の短プラは、引き上げ実施日「以降」が適用対象となるため、引き上げ実施日は2月2日と言いながら、実のところ1月末返済分から引き上げ後の新レートが適用されることになります。
多くの中小企業の約定返済日が月末となっているため、実質的に、1ヶ月前倒しで短プラが引き上げられることになるため、大きな金融機関ほど、より大きな「増収」となると言うわけです。
中小企業経営者からすれば、「なんや、騙されたような気分やな」となっても当然といえば当然です。
長らくゼロ金利、マイナス金利に慣れ切ってしまった中小企業経営者が多い中、「金利のある世界」は想定以上早くやってきます。
繰り返しますが、支払利息は固定費です。
中小企業経営者の皆さん、ぜひ、金融機関から郵送されてくる短プラ引き上げ後と引き上げ前との返済予定表(償還明細表)を見比べて下さい。
想像以上に支払利息は増えているはずです。
中小企業経営者は、支払利息の増加に耐えうるように収益改善を実現していく必要があるのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

