【中小企業の銀行対策】自社の借入金適用金利を正しく理解すべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、自社の借入金適用金利を正しく理解すべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 借入金の適用レートは借金の価格である
2 金利の上昇傾向はまだまだ続く
どうぞ、ご一読下さい。
1 借入金の適用レートは借金の価格である
中小企業経営者の方に、「社長、自社の借入金のレートはいくらかお分かりになりますか?」とお尋ねすると、高い確率で、「えっと、いくらだっけな」と明確にお答えになれないケースが散見されます。
確かに、取引金融機関担当者に借入の打診をして、取引金融機関の店内協議(役席者同席の下支店長等部店長が方向性を出す協議のこと)を経て、場合によっては信用保証協会の保証の承諾を得て、稟議手続きにて支店内、もしくは本部の与信所管部署の承認を得て、実際に金銭消費貸借契約証書に実印を押し、実行に至るまで一定の日数がかかります。
また、金銭消費貸借契約証書に実印を押した上で、「で、実行はいつですか?」なんてやり取りをしていると、適用レートは後回しの話になってしまいがちです。
実際、いくらのレートで、どのように金利が決まっているかが曖昧なままで実行に至るケースは珍しくありません。
もちろん、取引金融機関担当者も適用レートについて十分説明がなされていないことが多いのも否めないところです。
他方、間違いなく言えることは、適用レートは、金融機関からみた融資先の信用度をそのまま反映していることです。
超優良先であれば、TIBOR3ヶ月ものにスプレッド30ベイシスポイントである一方、その他要注意先であれば、自行短プラプラス1.500%なんて金利もザラです。
金融機関は債務者区分や信用格付等の信用度によって適用レートを決めていますが、中小企業経営者からすると、比較対象が極めて少ないことに問題があります。
いかに気の知れた社長仲間であったとしても、「おい、お前の会社の借入の金利、なんぼか教えてくれ」とはなかなか聞きづらい質問であることは間違いありません。
少なくとも、自社の適用レートがどのように決まっているのかを知ることから始める必要がありそうです。

2 金利の上昇傾向はまだまだ続く
中東情勢の悪化を受けて、石油由来の原材料や製品だけではなく、さまざまなモノの価格上昇は避けられません。
消費者物価だけではなく、企業間物価も上昇傾向です。
金融政策を司どる日本銀行は、直近では政策金利の引き上げを見送っていますが、基本的に金利の上昇トレンドは続きそうです。
こうなると、借入金の支払利息も更に増加することは間違いなさそうです。
支払利息は、月次約定返済の進展によって、徐々に減少していきますが、適用レートの元となる短期プライムレート、TIBOR3ヶ月もの、長期プライムレートが上昇すると、支払利息自体が高止まってしまいます。
支払利息の高止まりは、毎月の試算表の営業外費用を押し上げ、本業の支障になりかねません。
このまま、金利の上昇傾向が続くと、支払利息の増加分で、営業利益が吹き飛ばないとも限りません。
中小企業経営者は、金利の先高感を盛り込んで、顧客への値上げ交渉やコストカットに今から注力していく必要があります。
「金利のある世界」で会社を着実に成長させていくためには、経営者自身が金利に強くなることが求められるのです。

