【中小企業の銀行対策】業況が弱含む局面で銀行融資が受けにくい理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、業況が弱含む局面で銀行融資が受けにくい理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 今回の中東情勢悪化はコロナ禍とよく似ている
2 業況が弱含むと金融機関の審査は厳しくならざるを得ない
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 今回の中東情勢悪化はコロナ禍とよく似ている
歴史的とも言えた米中首脳会談が先週終了しました。
世界が固唾を飲んで見守ったG2首脳による会談によって、世界的な懸案となっている中東情勢、ホルムズ海峡を巡る紛争は、客観的に即効性のある答えが出たようには残念ながら見えていません。
そんなことを言っている間に、日本政府は「ナフサは年明けの分まで十分足りている」と明言している中にあっても、弊所のお客様中小企業だけを見ても、明らかに日常業務に支障をきたしているように見えてなりません。
まだまだ記憶に新しい新型コロナウイルス感染症に比べれば「大したことないやんか」という声があるかもしれませんが、ポテトチップスの包装パッケージが白黒に変わるとなれば、「実はちょっとやばいんと違うか」と一般市民が感じても不思議ではありません。
私北出が中小企業経営者目線で考えさせてもらうと、今回の中東情勢悪化と新型コロナウイルス感染症は極めてよく似ていると感じてなりません。
確かに、コロナ禍のようなロックダウンが行われるわけではなく、毎日感染者の数が報道されるわけではありません。
しかしながら、新型コロナウイルスと今回の中東情勢が似通っていると感じられる理由が「外部要因の脅威」が迫ってきているからです。
例えば、町工場の場合で、生産効率が落ちてきている原因が、設備の老朽化にあるのであれば、あくまでも会社の中の問題で、内部要因の弱みに相当します。
生産効率向上と省力化を目的とした生産設備を更新することに、メインバンクが「設備資金を融資しましょう」となってくれれば、内部要因の弱みを克服することができます。
しかしながら、やれ、「ナフサが足りない」だとか、「原油タンカーがやって来ない」というような要因は外部要因の脅威そのものです。
一中小企業が頑張っても、どうしようもないことであって、そういう意味合いでもって、今回の中東情勢悪化と新型コロナウイルス感染症拡大との間には類似した要素が存在するのです。

2 業況が弱含むと金融機関の審査は厳しくならざるを得ない
金融機関としても、営業店のローカウンターに、中東情勢の相談窓口をして、資金繰り相談に当たるようにしています。
しかしながら、コロナ禍と今般の中東情勢とは決定的な違いは、中東情勢の影響を受けて業況が弱含み、資金繰り余力が低下しているような中小企業を支援するためのコロナ資金のような制度融資が未だ明確に走っていないことにあります。
そもそも、金融機関としては、業況が弱含んで返済原資が創出できないような融資先にニューマネーを出すことはできません。
コロナ禍では、民間金融機関は、100%信用保証協会の保証をつけることで貸倒リスクを回避することができましたが、金融機関は、一般預金者から広く集めた預金を原資にして企業や個人に融資をしているため、返済の見込み(金融機関からすれば回収見込み)が乏しい先に融資はできないのです。
日本政府としても、「ナフサは年内は足りている」と言ってしまった以上、緊急的な融資制度の創設には及び腰なってならざるを得なくなっているのかもしれませんが、建設業で言えば、水回りを完成させなければ一般施主への引き渡しができない工務店や建築業者、シンナーや複数工程の塗料を使用する塗装工事業者にとっては深刻な影響が出ています。
中小企業経営者は、石油由来の原材料や製品が広範に渡ることを認識して、自社に及んでくるかもしれない中東情勢の影響を早期に察知し、先手先手でメインバンクと政府系金融機関に資金の打診を行う必要があるのです。

