【中小企業の銀行対策】前月の試算表を当月中に仕上げるべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、前月の試算表を当月中に仕上げるべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 取引金融機関は直近の試算表を求めている
2 何よりも前月の収益状況を試算表で確認すべきである
中小企業経営者の皆様、どうぞご一読下さい。
1 取引金融機関は直近の試算表を求めている
中小企業で、金融機関から融資を受けている場合、折に触れて、担当者から「社長、直近の決算書を頂けませんか」とリクエストを受けることがままあります。
試算表はあくまでも試算表で、多くの場合、毎月実地棚卸しを行うわけではないので、月末棚卸高は計上されませんし、その他、BS上での決算整理も行われていません。
しかしながら、ザクッとでも売上高はどうなのか、営業損益で赤字になっていないか、利払後の経常損益で利益は出ているかなど、完成工事ベースの建設業を除けば、大まかでも、試算表は収益状況を反映します。
取引金融機関担当者も、試算表上で利益が出ていて、現預金も安定した残高を維持していれば、ひとまず「一安心」ということになります。
中小企業でも、会社によって、経理回りの業務の体制は様々です。
入社以来経理一筋のベテランの御局様がいて、しっかりと月次を締めていて、会計事務所に先手先手で伝票類を提出したり、自ら経理ソフトに仕訳を入力したりしていたりします。
一方で、いまだに手書きの伝票を使っていて、経理担当者が幾人もいて、社長の手元にある試算表が、3ヶ月前という会社も無きにしもあらずです。
取引金融機関担当者としても、直近の試算表が上げられない融資先だと(ほんま、この融資先、だいじょうぶやろうか)と疑心暗鬼に囚われてしまいかねません。
会計ソフトをうまく活用したり、銀行帳をネットバンキングでCSVで吐き出させてエクセルに落とし込んだり、Geminiを使って手書き帳票をエクセルファイルに変換したりすることで、経理業務は一気に省力化することができます。
経理業務の省力化と電子データ化することによって、会計事務所の負荷軽減に繋がり、結果として、試算表の出来上がりまでの期間を短縮することができます。
繰り返しになりますが、試算表の精度を上げることはもちろんですが、試算表の出来上がりのタイミングを早期化することで、取引金融機関の心証を良化させることができるのです。

2 何よりも前月の収益状況を試算表で確認すべきである
試算表を早期に上げることの必要性について対外的な目線でお話をしてきました。
しかしながら、最新の試算表を最も点検すべき人物は経営者その人です。
先月は売上はどうだったのか、仕入、労務費や外注費は適正であったか、販管費に無駄はなかったか、レートが上がっている支払利息の増加分を経常損益で吸収できたのか、現預金は必要以上に減少していないか、それらを経営者自身が点検をし、是正すべき点があれば、すぐに経営方針を修正して、安定して利益が出て、返済に足るキャッシュフローが創出できるよう、会社の舵取りを行わなければなりません。
また、試算表の精度が確保できているか、決算整理後に損益が大幅に下方修正されて、試算表上で利益が出ていたのに、決算書を開いてみれば、赤字決算という事態は、何がなんでも避けなければなりません。
経理回りを経理担当者に丸投げするのではなく、試算表が高い精度を維持できているかについても、経営者が確認しなければならない事項です。
原価の上昇、販管費の増加に加えて、利払負担が嵩むなど、中小企業を巡る外部環境は厳しさを増しています。
このような厳しい外部環境を克服するためにも、試算表のアップデートを急ぐ必要があるのです。


