【中小企業の銀行対策】月末だからこそ売掛債権回収に注力すべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として月末だからこそ売掛債権回収に注力すべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 土日が重なる月末こそ売掛金回収をしっかりと行う
2 取引金融機関は滞留している売掛債権を問題視する

どうぞ、ご一読下さい。

1 土日が重なる月末こそ売掛金回収をしっかりと行う

今日は11月27日木曜日で、2025年11月の金融機関営業日は明日が最終日となります。
早いもので、今年も残り1ヶ月です。

この11月月末は土日が被ります。
このため、本来月末締め切りの得意先からの振込は11月28日の先もあれば、月明け月曜日の12月1日となる先もあります。
経験則的に、月末が土日にかかる場合、得意先A社からの振込は月末前で、得意先B社は月末明けに振り込まれるというのが経理担当者は把握をしています。

一方、支払の場合、総合振込で支払う場合には、月末明け着金でも、資金は月末前に当座預金や普通預金に準備をしておかなければなりません。
このため、月末支払の総合振込の資金には、得意先からの月末入金は事実上充当できません。
一方、取引金融機関への約定返済や諸経費類の口座振替で月末支払の場合、返済日は後ろに倒れますので、今月ですと12月1日支払となります。

このように、お客様からの振込入金も、総合振込や銀行への約定返済分等も、月末が土日にかかる場合、ズレが生じるため、経理担当部署では、通常月と違い、神経を使います。

このため、中小企業経営者も、営業担当者も、売掛債権の回収には、月末が土日にかかる場合、いつも以上に神経を使って、債権回収に努めなければなりません。

北出の経験則上、債権回収が甘い会社ほど、収支が厳しく、資金繰りも圧迫されています。
得意先からの振込入金が約束通りない場合には、営業担当者自らが得意先まで赴いて、集金を行うくらいの勢いが必要です。
今一度、経営者も営業担当者も、債権回収までが営業の仕事であることを肝に銘じなければならないのです。

【中小企業の銀行対策】月末だからこそ売掛債権回収に注力すべき理由とは?

2 取引金融機関は滞留している売掛債権を問題視する

売掛債権を着実に集金すべき理由は、資金繰りを圧迫させないことだけに限りません。
融資を受けている取引金融機関は、決算書の勘定科目明細書の売掛金、未収入金の明細を重視します。
前期と前々期との売掛金、未収入金の明細を比較して、同じ先に同じ金額が記載されていると、「実質不良化している」と見做されてしまって、実態ベースのBSでは、実質不良化している売掛金、未収入金相当額を流動資産から控除します。
実質不良化している売掛金、未収入金相当額を控除(査定)されてしまうと、実態ベースの純資産が目減りしてしまいます。
資産のマイナスの査定額が純資産の金額を上回ってしまうと、簿価資産超過であっても、実態ベースでは、実質債務超過と見做されてしまい、下手をすると債務者区分が破綻懸念先に分類されてしまい、ニューマネーの融資を受けられなくなってしまいかねません。

中小企業経営者は、売掛金、未収入金だけではなく、費用性の資産や資産性の乏しい資産はマイナス査定され、実態ベースの純資産を毀損させることを肝に銘じて、自社のBS上の資産の健全化に注力し続けなければならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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