【中小企業経営者の心得】過去の成功体験が通じなくなっている原因とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、過去の成功体験が通じなくなっている原因について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 円安は中小企業にとって重大な脅威である
2 中小企業と金融機関との関係性も変化した

どうぞ、ご一読下さい。

1 円安は中小企業にとって重大な脅威である

多くの中小企業で、一部の事業や部門で、不採算となっている状況が生まれています。
新規事業への参入、新たな営業拠点の開設、新規出店といった会社にとって重大なイベントに際しては、経営者の高いレベルでの経営判断が必要となります。
当たり前のことですが、新たな事業展開を行う際には、収益をシミュレートして、「よしっ、これなら十分採算が取れるし、勝ち戦にできる」という経営者の判断があって初めて、実現されるものです。

しかしながら、新規の事業展開を始め、一定期間を経てくると、必ずしも百戦百勝というわけにはいかなくなります。
当然ながら、新規の事業展開には、チャンスもありますが、リスクもあって、チャンスとリスクは表裏一体の関係です。
決して、新規の事業展開に従事していた従業員が手を抜いていたわけではないのですが、「なかなか採算が取れんなあ」と経営者が頭を痛めることは珍しくありません。

勝ち戦のつもりが負け戦に転じてしまう理由として、社会の変容が挙げられます。
特にコロナ禍によって、人々の行動変容が起こりました。
外食を控えるようになったり、出張するのではなくオンライン会議で済ませるようになったり、人々の行動は明らかにダウンサイジングされました。

さらに、大きなパラダイムシフトが、円安です。
かつて、日本が強かった時のドル円相場は、1ドル70円台の時期がありましたが、今は、1ドル150円台と、対ドルに対して、日本円の価値はほぼ半減してしまっています。
自動車産業を代表するような輸出のウェイトが高い大手製造業は円安は高笑いの世界ですが、直接、間接を問わず、輸入に依存していえる中小企業にとっては、原材料など、原価高、コストアップは深刻です。
今の経済環境は、中小企業にとって極めて強いアゲインストの風が吹きまくっているといっても過言ではないのです。

【中小企業経営者の心得】過去の成功体験が通じなくなっている原因とは?

2 中小企業と金融機関との関係性も変化した

バブル崩壊後、日本の金融機関は不良債権との厳しい闘いを強いられました。
いくつかの銀行が破綻し、あるいは国営化され、経営統合も進みました。
不良債権との闘いの割を食った中小企業は、正常先であっても貸し渋りに遭うような事態も発生し、多くの中小企業経営者が資金調達に苦労を強いられました。

一方、2009年に中小企業金融円滑化法が施行されて以降、中小企業のリスケジュール(返済条件の変更)が珍しいものではなくなり、円滑化法期限切れ以降も、行政庁の行政指導もあって、よほどの事情がない限り、リスケジュールが謝絶されるようなことはなくなりました。
中小企業にとっては、リスケジュールが事業継続に大きな役割を果たしていると言えます。
また金融機関の側でも、ゼロ金利、マイナス金利の恩恵から、バブル崩壊後のような金融機関の信用不安はほぼ消滅していて、表面上、金融機関はどこも平穏な営業を続けているように見えます。

ところが、ゼロ金利、マイナス金利が終わりを告げ、「金利のある世界」がやってきたことで、預貸率の低い金融機関では、保有している国債等投資有価証券に含み損が拡大していて、近い将来、保有している投資有価証券に満期が到来する度に含み損が売却損として損失計上されるようになると、金融機関の健全性に支障が出かねません。
このため、今後は、金融機関の経営統合や合従連衡が加速していくことが予想されます。

中小企業経営者としては、自社のメインバンクの経営状態をしっかりを把握をして、健全性が担保されるような金融機関をメインバンクとして選択していく必要が出てきます。

このように、中小企業経営者は、外部要因が大きく変化をしていることで、過去の成功体験がなかなか通じなくなってきていることを認識して、過去の成功体験にとらわれることなく、仮に不採算事業が存在するのであれば急ぎ抜本的なテコ入れを行うほか、場合によっては撤退、損切りも選択肢に入れて、先手先手で収益改善、向上に繋げていくことが必要なのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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