【中小企業の銀行対策】担当者のレスポンスが鈍い金融機関をメインバンクにしてはいけない理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、担当者のレスポンスが鈍い金融機関をメインバンクにしてはいけない理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 中小企業と金融機関の関係は「人対人」
2 担当者のレスポンスが鈍い金融機関は「追われている」

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 中小企業と金融機関の関係は「人対人」

弊所は、中小企業と金融機関との橋渡し役としての役割を果たすべく、資金繰りと銀行対策のお手伝いをしています。

とかく、取引の上では、金融機関の方が立場が「主」、中小企業の方が「従」という力関係に陥りがちです。
債務者の中小企業経営者が「貸してもらっている」という意識を持つ傾向が見受けられます。

一方、「俺は銀行なんか大嫌いや」と銀行嫌いを口にして憚らない中小企業経営者も無きにしもあらずです。

本来、中小企業も金融機関もビジネスパートナーなので、どちらが上、下という関係ではなく、対等であるべきだと北出は考えています。

また、債権者である金融機関、債務者である中小企業との関係は厳然としてあって、両者ともに、組織対組織の取引です。
しかしながら、組織の構成員は、個々の生身の人間なので、現場レベルでは、金融機関営業店の担当者がいて、中小企業経営者が担当者に対応するというのが現実です。

結局のところ、人対人の信頼関係によって、中小企業と金融機関との取引は成り立っています。
もちろん、人対人である限り、好き嫌いや肌に合う合わないという側面があることも事実です。

中小企業経営者も金融機関担当者も、社会人であり、企業人であるわけなので、最後のところでは、好き嫌いを超えて、大人の対応が必要となることは言うまでもありません。
中小企業経営者と金融機関担当者の関係は、お互いの信頼関係があって初めて、円満に成立するものなのです。

2 担当者のレスポンスが鈍い金融機関は「追われている」

1では、中小企業と金融機関との関係が経営者と担当者との信頼に基づいていることを申し上げました。

他方で、弊所もお客様の中小企業を通じて、多くの金融機関と接していますが、時折、どう考えても、「この担当者、レスポンス、悪い過ぎるやろ」と思えてしまうことが無きにしもあらずです。
でも、担当者と話をする限り、人柄は真面目なのに、レスポンスの悪さが目立つことがあります。

この原因として考えられることが、金融機関の組織の中が「追われている」ことです。
例えば、経営改善局面の中小企業に対して、経営改善の進捗を確認したり、資金繰りの状況を確認することは金融機関担当者にとっては、手間と時間がかかります。
数字に追われている担当者の場合、どうしても、経営改善局面の中小企業への対応は後手後手に回ってしまって、手っ取り早く収益を上げられる投資信託や保険商品の販売を優先させてしまいがちです。
そのようなケースでは、担当者とようやく連絡が取れて、「業況報告にお邪魔したいのですが」とお伝えしても、「わざわざ来ていただくまでもありませんから」とにべもない塩対応をとったりします。

もちろん、得意先課、取引先課、渉外係等の外回りの金融機関担当者にとっては、自身に与えられた数字は意地でも必達なので、手間と時間がかかる案件に塩対応となってしまうのは、「気持ちはわかる」です。

とはいえ、当たり前のお話ですが、経営改善局面の融資先中小企業へのフォローは金融機関にとっては必須の業務で、重要な仕事です。

そのようなケースに限って、例えば、条件変更のギリギリのタイミングでの対応となってしまうことも起こり得ます。

特に経営改善局面の中小企業経営者にとっては、メインバンクとの協調体制維持は譲れない重要な喫緊の経営課題です。
中小企業経営者は、自社のメインバンクとして「追われている」金融機関を選択するようなことはあってはならないことなのです。

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