【中小企業の銀行対策】まもなくやってくる年度末に必要な心構えとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、まもなくやってくる年度末に向けて必要な心構えについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 世間の年度末モードに対応する
2 取引金融機関は軒並み3月決算を迎える
どうぞ、ご一読下さい。
1 世間の年度末モードに対応する
今日で2025年2月が終わります。
2月は逃げるとはよく言ったもので、北出にとっても、あっという間の2月でした。
北出の場合、基本的に中小企業の銀行対策の仕事をしているので、たった28日の2月である上、旗日が2日もあったため、なかなかタイトな2月となりました。
週が明けると3月。
春がいよいよ近づいてくるわけですが、世間は年度末モードに突入します。
役所や年度末で通常よりも慌ただしくなりますし、上場企業だけではなく、中小企業であっても3月決算の会社が少なくありません。
公共工事を現に請け負っていて、現場を進めている最中の建設業であれば、何がなんでも年度内に完工させ、完成検査をパスしなければなりません。
親会社から材料の支給を中小製造業であれば、3月末時点で親会社からお預かりしている支給材の残高を合わせることが求められます。
3月決算の中小企業であれば、業績計画が組まれていれば、なんとしても計画を達成する必要があります。
このように、3月末は、他の月末とは大いに違っていて、何かと慌ただしくなってくるのです。

2 取引金融機関は軒並み3月決算を迎える
3月、年度末といえば、中小企業にとって身近な存在である取引金融機関各行も決算月を迎えます。
担当者の外回り(渉外係、営業課、得意先課などの銀行員)は皆、「数字」を持っているので、ここの外回りの担当者は、自らの数字が未達であることは許されません。
「数字」の代表格は、融資(貸出金)と預金の残高ですが、他にも、NISAの口数、クレジットカードのゴールドカード、保険商品、系列シンクタンク(〇〇総研など)の会員等々、多岐に渡ります。
中小企業でも3月末にかけて資金需要が高まるケースが多いため、既往の当貸や手貸の極度(いわゆる枠というやつ)の使用を促したりして、融資残高を稼いだり、3月末にかけて、長期資金のニューマネーの稟議を間に合わせることも彼らの大切な仕事です。
NISAの口数、クレジットカード、保険商品や系列シンクタンクの会員などは、「雑もの」と言われたりして、外回りの担当者としては、融資先の中小企業経営者の頭を下げることになるのですが、彼らにとってはこれがなかなか苦痛です。
時折中小企業経営者から質問されるのですが、いわゆる「雑もの」の営業をされた場合、どのくらいまでお付き合いすべきかということです。
もちろん、「雑もの」をお付き合いすることで経営者の負担になったり、資金繰りの足かせになっては元も子もありませんが、基本的に、コンプライアンスがこれだけ厳しく言われる金融機関なので、どう見ても無理なお願いはしてこないはずです。
ゴールドカードの会費はせいぜい、年間1万円程度ですし、もしかすると、初年度は年会費無料になるかもしれません。
NISAであれば個人名義ですし、系列シンクタンクの会費もせいぜい年間数万円の世界です。
「どのくらいまでお付き合いすべきか」という質問をいただく際には、「基本的にお付き合いしておいて下さい」と北出はお答えするようにしています。
たかだか、年間1万円のゴールドカードで担当者に恩を売れると思えば、決して高いものとはいえません。
このように、3月、年度末は、中小企業経営者にとっては、取引金融機関とのお付き合いに悩むことになるかもしれませんが、担当者の顔を潰さないためにも適度にお付き合いをされることをお勧めします。