【中小企業経営者の心得】経営判断に優先順位が必要な理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、経営判断に優先順位が必要な理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 モグラ叩きになってはいけない
2 資金繰りを回すことが会社の生命線である

どうぞ、ご一読下さい。

1 モグラ叩きになってはいけない

中小企業経営者は日々多忙です。
業種、業態によって一概には言えませんが、年商5億円を超えるような中小企業であれば、総務部や経理部といった間接部門が存在して、番頭役の総務部長や経理部長が何かと経営者をフォローしてくれます。
経営者も経営者で、「お、部長、この件、あとは頼むわ」と丸投げすることもなきにしもあらずです。

このため、このクラスの中小企業経営者は、比較的会社を俯瞰的に見る余裕ができ、社外のステークホルダーとの接触に時間を費やすことができます。

ところが、年商2億、従業員8名のような中小企業や小規模事業者の場合、そういうわけにはいきません。
従業員が、社長に一々、許可や決裁を求めてきます。
社外の取引先も、「社長、お願いします」とトップダウンでの決断を得ようとします。
このような社長の場合、頻繁に携帯電話がなっていて、ゆっくりと打ち合わせをもつこともままならないことが少なくないのです。

数々のタスクをこなす必要に迫られた経営者、社長は、ついつい、目の前に現れる事象に一々反応してしまいます。
本来であれば、もっともっと優先すべき経営課題が疎かになってしまいかねず、モグラ叩きのような反応に終始してしまうことが懸念されます。
いかに多忙な中小企業経営者、小規模事業者事業主であっても、常に優先順位を適切につけて、重要な経営課題に対処する必要があります。

【中小企業経営者の心得】経営判断に優先順位が必要な理由とは?

2 資金繰りを回すことが会社の生命線である

経営者が経営課題に対して、優先順位をつけられなくなってくる典型的なケースが資金繰り余力が低下する場合です。
発生ベースの損益での売上減少、原価上昇、経費増加によって業況が悪化して、その後、資金繰り余力低下の波が押し寄せてきます。

資金繰り余力が低下して、発生ベースの損益を改善しても、資金繰り余力の回復には時間が必要です。
売上を増加させて、原価の適正化を断行しているのに、資金繰りがきついというケースにおいて、経営者が最も焦りを感じます。
経営努力をしているにもかかわらず、おカネが増えないと、経営者は経営判断をミスジャッジして、目の前に現れるモグラを叩くのに精一杯になってしまいます。
資金繰りが厳しくなってくると、支払の優先順位も間違ってしまいます。
金融機関への元本返済は約定通りであるにもかかわらず、国税徴収法やそれに準じて徴収される税金や社会保険料を滞納してしまうケースは、支払の優先順位をミスっている典型的な例です。
税金や社会保険料を滞納する前に、メインバンクに働きかけて、リスケジュールに応じてもらって、同時にサブ行以下にもリスケジュールへの対応を促してもらうよう、旗を振ってもらう必要があります。

このように、租税公課の優先債権をきっちり納付しながら、支払の優先順位をつけて、資金繰りを回すことが最も大切な経営課題です。

営業畑で、イケイケの経営者は、ついつい、後ろ向きの銀行対応を後回しにしてしまいがちですが、資金繰りが回っていれば会社は潰れないことを改めて肝に銘じる必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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