【中小企業の銀行対策】個人商店から組織として脱皮するために必須となる条件とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、個人商店から組織として脱皮するために必須と習う条件について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 属人的要素を排除する
2 取引金融機関との関係は組織対組織が大原則である
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 属人的要素を排除する
中小企業といえども、創業当初は、代表者の属人的要素が会社そのものを構成するのが通常です。
しかしながら、業歴が10年を超えたり、年商が数億円の規模に拡大したり、従業員数が増加する中で、代表者だけではなく、ましてやカリスマ従業員のような属人性の強い人物が会社の中にいると、社内の普通の従業員は属人性の強い人物に何がしかの忖度をしてしまう恐れはなきにしもあらずです。
社歴が長くなり、会社の規模が大きくなってくると、代表者といえども、自らの属人性を主張することは決して芳しいものとはいえません。
もちろん、経営手腕は極めて重要で、取引金融機関からすれば、定性的要素(数値以外では計れない無形資産のようなもの。それに対して、決算数値や資金繰り表等数値で計れる要素を定量的要素と呼ぶ)の最も大きな要素を占めるのが、代表者のひととなりであり、経営手腕ですが、経営手腕を発揮することと、属人性を主張することは決してイコールではありません。
会社の規模が大きくなってきた経営者は皆、(なんとか個人商店から組織に脱皮せねば)と考えるようになりますが、人事制度や給与体系などは、個人商店時代はなんとなく決められる傾向にありますが、目標管理制度を回したり、給与テーブルを作成しようとすると、既存の従業員、中でも古参の従業員ほど、目標管理制度や給与テーブルに乗らないケースが頻発することになります。
また、部下を評価するような立場にある管理職から「部下の目標管理や人事評価などはやったことがないので勘弁して欲しい」というような切実な声が寄せられることも珍しくありません。
しかしながら、目標管理制度と給与テーブルを公明正大に回すことで、昇進や昇格、給与の決まり方が明確にすることができ、オーナー一族ではない普通の従業員を新たに作った人事課に配属して、若手の従業員の雇用拡大にも直結させることができます。
このように、個人商店から組織へ会社を脱皮させるためには、属人性を排除して、仕組み化をし、誰も納得できるような人事制度や給与テーブルの定着が必要不可欠なのです。

2 取引金融機関との関係は組織対組織が大原則である
属人的な要素を会社から排除して、個人商店から組織に脱皮することは、金融機関との取引にも極めて有効です。
ともすれば、中小企業でオーナー社長の経営者とすれば、「会社とオレは、一心同体」という意識が強いことは当然です。
オーナー社長で、金融機関からの会社の借入金に個人保証をしていれば、なおさらです。
それもそのはずで、業歴が10年も超えてくれば、決して順風満帆な局面ばかりではなかったはずで、会社が襲われた苦境の度に、オーナー経営者は学び、自力をつけ、危機を脱してきたはずです。
このため、オーナー社長が取引金融機関担当者と打ち合わせをする際、主語を「当社は」ではなく、「うちは」だとか、もしかすると「オレが」を使ってしまいがちです。
しかしながら、個人保証を外すことができる経営者保証ガイドラインが運用されている今、会社とオーナー社長とで明確に線を引くことが極めて重要です。
極論すれば、会社をオーナー社長が私物化することは何があっても許されないことです。
オーナー社長であっても、会社は会社、社長個人は個人と線引きすることで、個人保証を外すことができれば、直系の子息、子女だけではなく、番頭格や第三者への事業承継へのハードルを一気に下げることができます。
オーナー社長に万が一にことがあっても、会社を安定的に持続させ、事業を継続させるためにも、取引金融機関との関係を組織対組織のものとして位置付けることが求められるのです。
中小企業経営者で、オーナー社長が「会社とは表裏一体」と感じることは至極当然のことですが、会社を社会の公器として位置付け、取引金融機関との関係性を組織対組織として捉えることがオーナー社長の責務なのです。

