【中小企業の銀行対策】設備投資の可否が投資効果の実証と返済原始で決まる理由とは?

今日は、中小企業の銀行大佐s区として、設備投資の可否が投資効果の実証と返済原始で決まる理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 投資効果の実証は保守的に
2 返済が見込めない銀行融資は存在しない

どうぞご一読下さい。

1 投資効果の実証は保守的に

中小企業といえども、経営者は野心的であるべし、と北出は考えています。
野心がなければ同業他社を凌駕して、より高い企業価値を得ることはできません。
経営者たるもの、野心があって当たり前です。

経営者の野心の象徴の一つが、「設備投資」です。
現在のビジネスモデルをより発展させて、精度を高めていくことは経営者としての当然の責務です。

しかしながら、会社を次のステージに乗せて、より高い企業価値を得ようとすると、経営者は設備投資に貪欲になります。

市場のニーズに合う設備投資は新たなビジネスチャンスを産み出して、イノベーシが起こります。
そもそも、雇われ経営者がリスクを嫌って、設備投資を控えて、現預金を積み増していること自体、大きな問題です。

他方、ヒト、モノ、カネ、いずれも限りのある中小企業であれば、設備投資を無限大に行うわけにはいきません。
ある程度の設備投資となれば、非上場の中小企業は設備資金の借入金を金融機関に依存せざるを得なくなります。

コロナ禍から脱して、コロナ前の水準に戻りつつある中、中小企業レベルではまだまだ設備投資が弱い昨今の情勢から、中小企業の設備投資にかかる資金需要は十分コロナ前に回帰したとはいえません。

金利がついてきつつある金融機関としては、「設備資金ですか、やりましょう!」となってもいいところなのですが、なんといっても一般の預金者からの預金を原資として融資を行なっている金融機関は、「じゃんじゃん、設備資金に取り組みます」とはなりません。

長い金融機関の歴史の中で、「これは有望な設備資金である」と与信判断したものの、設備投資が過剰であったり、想定していたマーケットが育たなかったことで、有望であったはずの設備資金が不良化した例は枚挙にいとまがありません。

資金の要請をする中小企業側にとってみても、過剰な設備投資とならないよう、金融機関が過剰になるリスクのある設備投資を抑制してくれる役割を果たすことにもなります。

従って、資金要請をする中小企業側にとって重要なファクターの一つ目が、設備投資効果の実証を保守的に、言い換えると、硬めに見積もることが重要です。
野心あふれる中小企業経営者からすれば物足りないものがあるかもしれませんが、会社の命運を決しかねない設備投資について、保守的に、硬めに見ておくことは決してマイナスに作用はしないのです。

2 返済が見込めない銀行融資は存在しない

金融機関にとって設備資金の可否を決める重要なファクターの二つめが「返済原資」です。

いかに、設備投資計画が保守的で硬めであっても、調達した資金が返済できなければ、金融機関は審査を下すわけにはいきません。
金融機関は資金の出し手なので、ゆくゆく返済の原資が見込めない融資は存在しませんし、場合によっては背任に該当しかねません。

借りる側の中小企業も、「借りたカネは返さなければなりません」。

返済原資は、計画ベースの損益(PL)から資金繰り表を導き出して、返済がきっちり回ることを示す必要があります。
損益(PL)上でも、簡易CF(=「営業利益」ー「支払利息」+「減価償却費」ー「法人税等」)で簡易的にですが、算出することができます。

金利上昇が徐々に現実味を増す中、設備資金の調達は今がチャンスともいえます。
中小企業経営者は、設備投資による収益計画を保守的、硬めに見積もった上で、返済原資をきっちり生み出せるか否かで、設備投資への経営判断を行うべきなのです。

【中小企業の銀行対策】支店長を敵に回してはいけない理由とは?も併せてご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい。

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