【中小企業経営者の心得】前年度並みの売上確保を是としてはいけない理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、前年度並みの売上確保を是としてはいけない理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 コストアップは深刻である
2 横ばいの売上高は実質減収である

どうぞ、ご一読下さい。


1 コストアップは深刻である

お客様の中小企業で、金融機関向けのモニタリング資料を作成していてつくづく感じることが、業種、業態を問わず、中小企業における過去1年間でのコストアップは深刻であることです。

過去の政権が打ち出した過去に類を見ないような為替政策による円安が、ここへきて、輸入原材料の単価を大きく押し上げています。
コロナ禍以降、顕在化した人手不足によって、労務費、給与手当の上昇幅もかつてない水準です。
製造業でも、サービス業でも、建設業でも、労務費、給与手当の単価をあげないと、離職者が後を立たず、受注や仕事があってもこなせないという困った事態です。

原油高によって、水道光熱費、燃料費といった固定費も上がりました。
売上原価も、販管費も軒並み上昇しています。

これが、現下の中小企業の現状です。

【中小企業経営者の心得】前年度並みの売上確保を是としてはいけない理由とは?

2 横ばいの売上高は実質減収である

上記の通り、中小企業を巡るコストアップは深刻です。
前期並みの利益を確保するためには、コストアップ分を上回る増収が必須です。
そもそも、デフレからインフレに局面が転換しているので、同額の売上高では、実質経済成長率の分だけ、実質的には減収となってしまいます。

このため、コスト上昇分に加えて、実質経済成長率の分を前期よりも上回る売上高を確保して、ようやく「是」となる状況です。

もちろん、創出されるFCF(フリーキャッシュフォロー)で、金融機関への元本返済の原資を確保することは、いうまでもありません。

我が国では、30年間の長期にわたるデフレが続きました。
デフレ下では、売上高が伸びなくても、コストも落ちていたので、増収への経営者のモチベーションは必ずしも高くなかったことが懸念されます。

デフレからインフレへ、日本経済は大きく舵を切りました。
中小企業経営者は、もういい加減、長らく続いたデフレマインドから脱却して、会社を成長軌道に乗せていくことに弛まぬ努力を払う必要があるのです。

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