【中小企業の銀行対策】在庫の適正計上が重要である理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、在庫の適正計上が重要である理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 期末の実地棚卸しを厳格に行う
2 期末在庫を膨らませるのは粉飾の常套手段である

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 期末の実地棚卸しを厳格に行う

中小企業の決算は通常年一回です。
決算は、経理担当だけではなく、経営者にとっても、一大イベントです。
なんといっても、決算書は、過去1年間の会社の「通信簿」です。
「よくできました」となるか、「もっと頑張りましょうなのか」、はたまた、「全然あかんやん」となるか、会社の命運がかかっているといっても、過言ではありません。
そもそも、決算書こそ、会社の信用度をそのまま反映するものと言っても過言ではなく、取引金融機関にとっては、余震判断の重要な要素であるだけではなく、債務者区分や信用格付を決するものです。

決算書のうち、損益計算書の重要な勘定科目の一つが「在庫」です。
大口の受注を獲得して、製造過程の途中で決算を迎えて、仕掛品の状態で決算を跨ぐようなことがあると、材料仕入高が多額計上される一方で、期末たな卸高や期末仕掛品の残高が増加します。

棚卸し高を厳格に決算書に反映させるため、全ての在庫、仕掛品並びに製品を実地棚卸しをしなければなりません。
製造業の場合、いざ、実地棚卸しをするとなると、製造部門だけではなく、営業や管理部門の従業員も総出で棚卸し作業に従事します。

それだけ、在庫を正しく数え、実地棚卸しを厳格に行うことは会社にとっては重要なことなのです。

【中小企業の銀行対策】在庫の適性計上が重要である理由とは?

2 期末在庫を膨らませるのは粉飾の常套手段である

このように、決算書の中で、重要な存在である在庫ですが、ともすれば、在庫をいじることは、粉飾の常套手段でもあります。
試算表を締め上げて、「このままでは赤字決算に陥ってしまう」というケースは、中小企業にとって珍しくはないことです。
その時に、悪魔が「期末在庫を膨らませれば、黒字になるやんけ。今期だけ、来期は利益を出して、元も戻せばええやんか」と囁かないとも限りません。
大体、期末在庫を膨らませようという発想の会社で、来期、それを補えるような利益を出せる保証は何もありません。

取引金融機関としても、出来上がった決算書で在庫を嵩上げされているのとを目にすると、「粉飾だあ!!」と断定することはできないまでも、「この決算書、臭いな」と心象が悪くなることは間違いありません。
そもそも論として、在庫を嵩上げして出せる利益では、減価償却費を含めても、長期借入金の返済原資を充足できるありません。
そのような決算書を目にした支店長も、本部の与信管理部の調査役も、「ニューマネーは保証協会付きだけで、プロパーや出せへんで」という厳しい見方がされる可能性が高いのです。

このように、中小企業経営者は、取引金融機関によって在庫は「見られている」ことをしっかりと認識して、間違っても、安易に在庫をいじるようなことはあってはならないのです。

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