【中小企業の銀行対策】年商10億円が会社の成長への一里塚である理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、年商10億円が会社の成長尾への一里塚である理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 年商10億を超えると金融機関担当者の目線が変わる
2 年商10億で会社の取引先との力関係が逆転する
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 年商10億を超えると金融機関担当者の目線が変わる
一口に、中小企業と言っても、その規模は様々で、製造業で資本金9,999万円で従業員300人であっても、どちらかと言えば、ここまで来ると、中小企業というよりは中堅企業という方がしっくりきますが、確かに、中小企業の範疇です。
一方、卸売業で従業員6名であれば、小規模事業者ではなく、中小企業に当てはまることになります。
いずれも、中小企業基本法が定める基準ではありますが、その基準には売上規模は勘案されていません。
一方、地方銀行、信用金庫、信用組合といった地域金融機関の融資の現場からすると、会社の規模は、資本金でもなく、従業員数でもなく、最も重視される変数は売上高です。
金融機関で売上高が重視されるは至極当然で、ザクっと言ってしまえば、売上高が大きければ大きいほど、動くおカネが大きく、当然のことながら、売上高が大きく、動くおカネが大きいほど、資金需要が高まることになります。
運転資金の資金需要が大きければ大きいほど、地域金融機関からすると、ビジネスチャンスが増えるわけなので、地域金融機関が売上規模で融資先をある程度選別するのは当然と言えば当然のことだと言えます。
そこで、これは北出の勝手な規模感なのですが、地域金融機関の営業担当者や融資係の目線からすると、売上高10億円というのが暗黙のうちに一つのベンチマークになっている気がしてなりません。
季節変動要因がある業種であれば、短期の繋ぎ資金80百万円と言われても、合理的ですし、短期資金であっても、80百万円の融資案件ともなれば、地域金融機関営業店では、大きな案件になります。
外回りの営業担当者だけではなく、お節介な支店長であれば、担当者に、「おい、明日、その先、訪問しよ。社長とアポ取れよ。俺も同席するから」と矢継ぎ早に指示を出してきます。
担当者だけではなく、数多くの融資先を俯瞰する部店長(支店長等)の立場であっても、年商10億円の融資先はそうそうあちこちに転がっているわけではないので、メインバンクであればなおさら、潰すわけにはいかない融資先と位置付けられます。
このため、営業店を挙げて支援をするような形になるのです。
もちろん、売上至上主義というわけでもありませんし、製造業で材料を有償支給されていて、親会社(資本関係ではなく、仕事を主にもらっているお客様のことを製造業では親会社と呼ぶ)への材料売り上げが乗っかっているケースもありますが、やはり、地域金融機関としては10億円の年商規模の融資先は貴重な存在なのです。
年商10億円の先ともなれば、今まで融資取引のない他の金融機関が新規融資を売り込みに来る可能性が高く、メインバンクだからといって、上段に構えているわけにはいかなくなります。
サブ行以下、他行との競合も激しくなることから、金利の上昇局面であっても、例えば、短プラ連動ではなく、新長プラに連動させるなどして、レートの上がり幅を抑制するようなメインバンクの配慮もなされるようになります。
メインバンクの従来からの「貸してやってる」という強気のスタンスから、少しずつ、力関係に変化が出てくるのも年商10億円が分岐点となっているのかもしれません。
これまで当たり前だった社長の個人保証もメインバンク側から「社長保証ですが、経営者保証ガイドラインに基づいて、解除させていただけるよう、本部の了承を取り付けたのですが」と支店長から前向きなお話が出てくる可能性も出てくるかもしれません。
2 年商10億で会社の取引先との力関係が逆転する
年商10億円を超えてくると、もちろん、売り上げが増加するということはお客様の数が増えることと、既往のお客様の取引額が大きくなることでもあります。
一方、売上高ではなく、材料費、外注費やその他の販管費も自然増で増えてきます。
これはすなわち、多くの財・サービスを購入することなので、仕入先、外注先、経費購入先も増え、金額も増えることになります。
こうなると、今までは、仕入先、外注先が仕事をやってあげているというスタンスであったのが逆転して、「社長、ぜひ、当社ともお取引をお願いいたします」ということになってきます。
下世話なお話ですが、例えば、商工会議所の年賀会のような場であっても、社長が配る名刺の数よりも社長が受け取る名刺の数の方が多くなってきたりします。
その購入先が地元企業であれば、信用創造ではないけれど、資金が地域金融機関を介して、地域内で循環するようになれば、資金の地産地消を実現することにも繋がります。
年商10億円を超えてくると、プラスの好循環がどんどん回り始めるというわけです。
売上が全てではありませんが、中小企業経営者であれば、地域に貢献することと自社の事業継続可能性をより一層高めていくためにも、年商10億円は成長への一里塚であることは間違いなさそうです。
中小企業経営者は、年商10億円を成長への一里塚として位置付けることで、さらなる成長を実現し、社会の公器となることを目指すべきなのです。

