【中小企業の銀行対策】月末を債権回収重点日に位置付けるべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、月末を債権回収重点日に位置付けるべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 債権回収を疎かにすると資金繰りが悪化する
2 長期滞留債権の存在を取引金融機関は注視している
中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。
1 債権回収を疎かにすると資金繰りが悪化する
今日は、9月29日で、明日は9月月末を迎えます。
2026年度もセカンドクォーターが間もなく終わってしまいます。
歳を重ねたからとは思いたくはありませんが、月日の経つのは早く感じてしまいます。
卸売業を中心に、俗にいう営業会社では、月末は月次売上目標を必達する重要な日です。
昭和の色が残る会社では、営業部での月末は朝イチから営業会議をやって、それぞれの部署では「必ず、今月の数字を達成して、夜は美味い酒でも飲むぞ!」と喝が入れられます。
喝を入れたられた営業担当者は、(数字ができるまで会社には帰れへんからな)と朝から暗澹たる気持ちになってしまうものです。
令和の世の中、このような会社は絶滅危惧種であって欲しいと願うばかりですが、「売った奴は偉い」という風潮の会社が無きにしも非ずのように感じられてなりません。
このように、営業会社を中心に、月末といえば売上高にフォーカスが当たりがちですが、売上高と同様に、営業担当者にとって重要な業務が「債権回収」です。
多くの世間の営業担当者からすれば、(うわっ、債権回収なんてめんどくさい。勘弁してくれ)と直感的に感じてしまいがちです。
しかしながら、会社にとっては、売上を作ることと同じくらい、債権回収は重要な業務なのです。
債権回収が重要な理由は明確です。
売上を作って、納品書とともに、得意先に納品をしても、債権回収(=売掛金の回収)ができなければ、在庫が減るばかりで、いつまで経っても売掛金は現金化されません。
売掛金が回収され、現金化されなければ、会社の資金繰りはみるみる悪化していきます。
債権回収が疎かになってしまうと、PL上では利益が出ますが、BS上では、売掛金の残高が膨れ上がり、現預金は減っていきます。
これこそが、世にいう「黒字倒産」の典型例と言えるのです。
中小企業経営者も、営業部門の責任者も、月末を口実にして、売上高を作りながら、営業部門を挙げて債権回収に取り組まなければならないのです。

2 長期滞留債権の存在を取引金融機関は注視している
売掛金の回収が遅れて、長期滞留債権になってしまうと、自社の資金繰り余力が低下するだけではなく、取引金融機関の評価も落としてしまいます。
取引金融機関では、いくらPL上で利益が出ていても、長期滞留債権の存在を問題視します。
金融機関の自己査定でも、実態BSの売掛金勘定から、長期滞留債権相当分を控除するため、実態ベースの純資産の目減りに直結します。
何より、債権管理が十分できていないこと自体、取引金融機関の心象を悪くしてしまいます。
債権管理が不十分だと金融機関に判断されてしまうと、月次の資金繰り表や試算表の提出を求められることにもなりかねません。
では、中小企業経営者として、得意先に長期滞留債権が発生してしまった場合、どのように対応すべきでしょう。
悪意のある得意先でない限り、わざと支払を遅延させているわけではないはずです。
「うちも売掛金をもらえないと困るので、残りを来月10日までに全額振り込んでください。そうでなければ今後取引を中止します」といったところで、同業他社との競合が激しい中、せっかくのお客様をこちらから切るのは勿体無いお話ですし、こちらから一方的に取引を切ってしまっては現在残っている長期滞留債権の回収は難しくなってしまいます。
こうした事態を打開するためにも、経営者自身が得意先と真摯に向き合って、今後発生する売掛金は約束通り支払ってもらうことと、それに加えて、長期滞留債権を上乗せする形で分割して支払ってもらえるよう、粘り強く交渉するのがより賢い対応といえます。
我が国の商取引は、得意先を信用して、納品後、締め日に請求書を出して、先方に支払日に支払ってもらうという信用取引の上で成り立っています。
信用取引を行う以上、長期滞留債権の発生するリスクは常につきまとうことになります。
中小企業経営者は、常日頃から売掛金の回収状況をチェックして、支払遅延の発生をいち早く察知し、得意先との粘り強い交渉を行なっていく必要があるのです。


