【中小企業経営者の心得】メガバンクで発生した前代未聞の不祥事から学ぶべきこととは?

今日は、中小企業経営者の心得として、メガバンクで発生した前代未聞の不祥事から学ぶべきことについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 金融機関のリスク管理は徹底されている
2 リスクの本質はヒューマンファクターである

どうぞ、ご一読下さい。


1 金融機関のリスク管理は徹底されている

3メガバンクの一角を占める大手金融機関で、営業店の役席者が顧客の貸金庫から現金や金塊を盗み出すという前代未聞の不祥事、というか犯罪が起きました。
容疑者は既に警察に逮捕され、これからの捜査で、前代未聞の不祥事、というか犯罪の全貌が明らかにされることと思われます。

通常、金融機関の営業店では、通常の預貸の取引であっても、起票者が起票した伝票をオペ(PCの端末に入力すること)する担当者がいて、役席者(支店長代理や係長等)が伝票通りオペがされていることを確認する「検印」を行います。
早い話、通常の預貸取引であっても、ダブルチェックが効いています。

さらに、今回、問題となった貸金庫については、金融機関からすると、貸金庫の契約者は、謂わば「上得意様」なので、貸金庫の取り扱いには、通常の預貸取引以上の注意が払われます。
報道では、容疑者の肩書が元支店長代理となっていて、課長代理等と同等の役席者です。
ヒラ工員とは訳が違うわけで、おそらく、営業店の営業課(主に預金業務担当)でそこそこの実績を積んできたからこそ、役席者に昇格していたはずです。

それに加えて、金融機関は本部に「検査部」という部署があって、定期的に営業店に「臨店」して、現物を確認したり、事務が適切に行われているかをチェックします。
通常、検査部の検査役や調査役は部店長(支店長等)級や次席(次長や副支店長等)級が務めていて、検査部は皆、管理職(経営職)で構成されます。
検査部の検査役や調査役は、検査のプロであって、いわばお目付け役なので、営業店からすれば、臨店検査は積極的に歓迎できるものではないのです。

このように、金融機関の営業店でのリスク管理は相当高いレベルで行われているのが一般的なのです。

【中小企業経営者の心得】メガバンクで発生した前代未聞の不祥事から学ぶべきこととは?

2 リスクの本質はヒューマンファクターである

逮捕された容疑者がどのような人物だったのか、報道以上のことを知る由もありませんが、察するに、本人は、毎日、生きた心地がしなかったに違いありません。
「検査部が臨店してきたらどうしよう?」、「貸金庫の契約者にばれたらどうなってしまうだろう?」・・・。
しかも、金融機関につきものなのが、人事異動です。

来月1日付で、転勤の辞令が出たりでもしたら・・・。

少なくとも、メガバンクで営業店とはいえ役席者であった容疑者は、世間一般からすれば、相応の収入を得ていたことは間違いありません。
生活に困窮して、泣く泣く悪事に手を染めたというわけではどうみてもないのです。

ともすれば、中小企業経営者からすれば、「うちの会社には関係ない話やな」と対岸の火事で片付けてしまいがちですが、このようなリスクの芽は、会社の中に潜在的に存在していると考える方が妥当です。

いくら、不正防止のための仕組みを整えても、働いているのは結局のところヒトです。
いくら仕組みを整えて、システム化しても、そこで働くヒトが悪意を持ってしまっては、不正や不祥事は永遠に撲滅することはできないのです。

幸いにも、中小企業の場合、メガバンクと違って、会社の規模が限定されていて、社員皆の顔と名前が一致するような会社も少なくありません。
社内を性善説で回すことができるよう、経営側と労働側とが、互いに思いやりを持って、会社を盛り上げていけるよう、中小企業経営者は、弛まぬ経営努力を惜しんではならないのです。

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