【中小企業の銀行対策】日本政策金融公庫をうまく活用する方法とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、日本政策金融公庫をうまく活用する方法について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 日本政策金融公庫の生い立ちを知る
2 メインバンクであっても公庫からの追加融資は文句をつけない

どうぞ、ご一読下さい。

1 日本政策金融公庫の生い立ちを知る

中小企業や小規模事業者にとって、大切な資金調達先が日本政策金融公庫です。
平常時だけではなく、先の新型コロナウイルス感染症拡大時においては、幅広く、コロナ資金を中小企業に供給したことは記憶に新しいお話です。

ところで、中小企業にとって大切なあ資金調達先である日本政策金融公庫ですが、意外にもその中身について詳細に知っている中小企業経営者は少数派なのかもしれません。
日本政策金融公庫とはどのような金融機関なのか、改めて、中小企業経営者目線でその概要について考えてみることにします。

日本政策金融公庫は、旧国民生活金融公庫、旧中小企業金融公庫、旧農林漁業金融公庫の3つの金融機関が2008年10月に統合してできた金融機関です。
会社の組織上株式会社となっていますが、発行済み全ての株式を国が保有する政府系金融機関です。

中小企業や小規模事業者が接触するのが、日本政策金融公庫の中の「国民生活事業」です。
旧国民生活金融公庫を前身とした部門で、通称「コッキン」と呼ぶのが「国民生活事業」です。
日本政策金融公庫国民生活事業は、日本全国津々浦々の地方都市として支店を構えています。
また、基本的に長期資金を供給していて、資金使徒は、長期運転資金の他、設備資金にも対応してくれます。
コロナ資金のような様々な制度融資を取り扱っていて、基本的に適用レートは固定金利で、かつ低レートなので、中小企業や小規模事業者にとっては、民間金融機関よりも有利な条件で資金調達ができます。
国民生活事業は、中小企業、小規模事業者にとっては、なくてはならない大切な資金調達先であることは間違いありません。

他方、中小企業の中でも、中規模であったり、中堅企業の場合、国民生活事業では金額的に限界があるため、中小事業の扉を叩くことが有効です。
運転資金の他、長期の設備資金に強みを持っていて、比較的大きな資金需要にも対応可能です。
中小企業が中企業や中堅企業に成長した後には、国民生活事業に加えて、中小事業も資金調達先に加えることが有効です。
因みに、旧国民生活金融公庫と旧中小企業金融公庫時代からの名残なのか、国民生活事業と中小事業の間では、基本的に融資先のデータを共有していないようで、国民生活事業から中小事業への紹介はあまり期待できないかもしれません。
いずれにしても、中小企業経営者は、自社の規模が拡大した場合には、国民生活事業だけではなく、中小事業も活用することを考慮する必要があります。

【中小企業の銀行対策】日本政策金融公庫をうまく活用する方法とは?

2 メインバンクであっても公庫からの追加融資は文句をつけない

上記で申し上げましたが、中小企業にとって、重要な資金調達先である日本政策金融公庫ですが、メインバンクと公庫との関係性とはどのようなものでしょうか?
考えてみます。

メインバンクは、通常、民間金融機関です。
ここでいう民間金融機関とは、3メガバンクとか、りそな銀行のような大手銀行、地方銀行や第二地方銀行(旧相互銀行)や信金・信組を言います。
仮に、地方銀行A行をメインバンクにしていた場合、第二地方銀行B行が新規融資を押し込んできた場合、メインバンクの地銀A行の担当者は、「社長、なんで僕に一言、ご相談いただけなかったんですか?」とクレームをつけてきます。
民間金融機関は、営業上、融資残高ベースのシェアを高めることに重点を置くため、競合する民間金融機関が割って入ってきた時には、ヘソを曲げてしまうかもしれません。

一方、日本政策金融公庫についてはどうでしょうか?
そもそも、あくまでも日本政策金融公庫は補完的な金融機関ですし、低レートで、かつ固定金利であるため、レートの条件では、民間金融機関は日本政策金融公庫に太刀打ちできないのです。

このため、メインバンクA行担当者としても、公庫から追加融資を受けたとしても、「公庫さんですからね、ええんと違いますか」と基本的に好意的です。
ただし、メインバンクA行としては、公庫の追加融資によって自行の残高シェアが落ちてしまうため、中小企業経営者はメインバンクA行の担当者に、「今月、公庫から15百万円、資金調達することになるから、一応事前に言うておくわ」と一言告げておくと、メインバンクA行の担当者の顔に泥を塗ることにはなりません。

このように、中小企業、小規模事業者にとっては、大切な資金調達先である日本政策金融公庫ですが、民間金融機関のメインバンクにも一定の配慮が必要となるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA