【中小企業の銀行対策】プルデンシャル事件を踏まえた取引銀行との理想的な距離感とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、プルデンシャル事件を踏まえた取引銀行との理想的な距離感について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 銀行等とカタカナ生保とは根本的に組織体系に違いがある
2 組織対組織とのお付き合いであることを忘れてはいけない
どうぞ、ご一読下さい。
1 銀行等とカタカナ生保とは根本的に組織体系に違いがある
プルデンシャル生命の営業職員が、担当顧客からおカネを騙し取っていたことが明るみに出ました。
片山財務大臣が怒っている通り、多くの人々が「一体、どうなってるんや!?」と憤りを超えて呆れ返ったというのが本当のところかと思われます。
もはや、不祥事どころか、大事件です。
プルデンシャル生命を含めたカタカナ生保の営業職員は、その多くが異業種のトップセールスマン出身者で、ハンティングされてきて、保険商品の販売に従事しています。
入社してから2年間は固定給がありますが、その後はいわゆるフルコミッションと呼ばれる成果給が給与のほとんどを占めるようになります。
確かに、よく売る営業職員は、年収1億円とも言われるような高所得を得ますが、ほとんどの営業職員は、固定給がなく、生活にも支障が出るとも言われています。
このため、プルデンシャル生命では5千人と言われる営業職員ですが、毎年500名程度を採用していたようで、毎年500人採用しているということは、単純に考えれば、毎年500人辞めているというのが現状だと考えられます。
プルデンシャルのようなカタカナ生保で働く営業職員は、徹底した成果主義なので、営業職員は皆、個人商店のような感覚です。
営業職員は、その多くが会社に属しているものの、愛社精神とか、会社への帰属意識が低いと考えられます。
一方、銀行等金融機関は、カチカチの組織体です。
ビチっとしたピラミッド型の組織で、権限や責任も明確です。
例えば、金融機関の営業店(支店等)の部店長(支店長等)は営業店内では絶対的権限を持っていて、当然ですが、人事権も掌握しています。
役職員が支店長の指示に従わなければ、僻地の支店に飛ばされたり、業務命令違反で懲戒処分が下されることあります。
カタカナ生保のような個人商店の集合体と、金融機関のピラミッド型の組織とどちらが良いかは議論の余地がありそうですが、カタカナ生保の営業職員と金融機関の外回りの担当者とは全く異質な人間であることを中小企業経営者は認識しておく必要がありそうです。

2 組織対組織とのお付き合いであることを忘れてはいけない
カタカナ生保と金融機関との違いとして、挙げられるのが「人事異動の有無」です。
基本的にカタカナ生保は、同じ営業職員がずっと自分が獲得したお客様を担当し続けます。
一方、金融機関の場合、部店長では1年半から長くて3年、担当者ベースでも長くて5年以内には転勤や係替などで担当者が次々変わっていきます。
金融機関が人事ローテーションを回す理由の一つが、担当者と融資先との癒着防止です。
例えば、中小企業経営者が、メインバンク担当者とウマがあって、プライベートで食事をするような関係になったとしても、次の担当者と同じような関係性が続く保証は何もありません。
今般のプルデンシャルの事件の背景としても、長年にわたって同じ担当者が担当し続けたことで、「あの人を信用している」ということになって、「おカネを預けても大丈夫」という風な典型的な癒着に陥ってしまったことは想像に難くありません。
優良企業で、役員報酬をがっつり取っているような中小企業経営者にとっては、プルデンシャル事件は決して対岸の火事ではないのです。
こうしたことを踏まえて、カタカナ生保はいったんおいて、銀行等金融機関担当者に対して、いくら「こいつは信用できる」とウマがあったとしても、プライベートなところには踏み込むことは厳に慎むことが無難です。
中小企業経営者は、銀行等金融機関との取引に際しては、担当者個人との関係性ではなく、あくまでも、「組織対組織」のお付き合いであることを忘れてはいけないのです。

