【中小企業の銀行対策】季節変動の大きな業種に資金繰り管理が必要な理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、季節変動の大きな業種に資金繰り管理が必要な理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 受注増加は資金繰りをタイトにする
2 閑散期に固定費支払と長期借入金の返済負担がのしかかる

どうぞ、ご一読下さい。

1 受注増加は資金繰りをタイトにする

受注増加、売上増加は、経営者にとっては頬がゆるむありがたいお話です。
会社が成長局面にあっても、経営改善局面にあっても、売上が立たなければ、絵の書きようがありません。
受注増、売上増は、大企業であろうが、中小企業であろうが、会社の存続に必要不可欠なものです。

他方で、売上計上、即、売掛金回収となる小売業や飲食業を除けば、基本的に役務の提供が完了して初めて、売上計上ができます。
納品書が送られ、売上計上がなされ、請求書が送付されてから、お客様の締め日支払日に合わせて売掛金が回収されるのが一般的です。
下手をすると、売掛金の回収条件が半金半手であれば、受け取った手形を手形期日を迎えるまで期日入金するか、金融機関で割り引いたりする必要が出てきます。
そのくせ、材料の仕入や外注費、労務費や経費の支払は先行します。

このように、受注増、売上増は資金繰りをタイトにしてしまうのです。

2 閑散期に固定費支払と長期借入金の返済負担がのしかかる

次に、受注増、売上増に対して、受注減、売上減の局面での資金繰りについて考えてみます。
確かに、製造原価内の原材料費、外注費は基本的に変動費なので、受注減、売上減にともなって、原材料費、外注費も減少します。
しかしながら、労務費については、受注減、売上減によって時間外労働にかかる手当は変動費として減少しますが、正社員の固定給は変わりません。

加えて、特に、販管費内の経費は、ほとんどが固定費なので、受注減、売上減となっても、ほとんど減りません。
さらに、長期借入金の約定返済分はリスケジュールしない限り同額です。

つまり、売上減、受注減、あるいは閑散期だからと言って、固定費と長期借入金の返済は変わらず、資金繰りを圧迫してしまうのです。

もちろん、公共工事主体の建設業であれば、4月にドカッと入金があり、2月や夏場にはほとんど入金がなくなるといった個別の業種ならではのキャッシュフローの背景があるのは避けられません。

しかしながら、資金繰りを安定させるのは、極端な売上増、受注増というよりは、毎月コンスタントに売上が立つよう、閑散期の谷を埋めるよう、中小企業経営者は経営努力が必要なのです。

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