【中小企業の銀行対策】業況低迷の理由を外部環境の脅威に求めてはいけない理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、業況低迷の理由を外部環境の脅威に求めてはいけない理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 脅威とは闘うことなく回避の一手である
2 厳しい外部環境下でも儲けている中小企業は着実に存在する

どうぞ、ご一読下さい。

1 脅威とは闘うことなく回避の一手である

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が概ね収束して2年超が経過しました。

コロナ禍で痛手を負ったサービス業を中心とした中小企業経営者からすれば、新型コロナウイルス感染症の影響が収束することで、業況がV型に回復して、コロナ資金の返済も順調に進めていける腹積りでした。

ところが、コロナ禍が終息してから中小企業を待っていたのが、あらゆるものの価格上昇でした。

業務用食材、建築材料だけではなく、製造原価に加えて、水道光熱費等販管費に至るコストアップが中小企業の業況回復に影を落としていることは見逃すことができません。
更には、ゼロ金利、マイナス金利からの脱却によって、超短いずれの金利も上昇傾向にあって、支払利息も増加しています。

とはいえ、「製造原価が高騰しているから」、「販管費全般が高くなっているから」とか、挙げ句の果てには「政治がアホやから」と一中小企業経営者が嘆いてみても、何も変わりません。
そもそもSWOT分析の外部環境の「脅威」には立ち向かってはダメで、「脅威」からは逃げの一手で逃れるしかありません。

わかりやすく言えば、「台風に負けてたまるか」と気合で台風の嵐の中、居酒屋の営業を強行しても、お客様は待てど暮らせど現れません。
ましてや、台風の暴風雨の中、電車が止まってしまえば、バイト君をはじめとした従業員の帰宅時の安全確保にも大きな支障が出てしまいます。
台風がやってきた時は気合で立ち向かうのではなく、台風の脅威から回避するため、はなから営業を休止して、台風が過ぎ去った翌日以降、万全を期して営業する方がずっと理にかなっているのです。

このように、外部環境の脅威には立ち向かうのではなく、ひたすら回避することと、脅威への対処法を予め想定することが重要です。
加えて、立ちはだかっている脅威の存在はハナからわかっているのですから、その脅威を業況の低迷の理由に求めてはならないのです。

【中小企業の銀行対策】業況低迷の理由を外部環境の脅威に求めてはいけない理由とは?

2 厳しい外部環境下でも儲けている中小企業は着実に存在する

わたくしども北出経営事務所では、お客様中小企業経営者に取引金融機関への月次モニタリング(業況報告)を行うようにしていて、北出も同席させて頂きますが、当たり前ですが、常にお客様の中小企業の業況が順調というわけではありません。
季節要因であったり、あるいはまさに外部環境の脅威であったり、ネガティブな要素が中小企業を蝕んでいることはしばしばです。

そのような場合でも、業況低迷の原因についてさることながら、収益改善への対処法については、外部環境ではなく、自社の弱みを克服するか、もしくは強みをさらに伸ばすような施策を実施していくことを表明するようにしています。
そして、自社の弱みを克服するか、もしくは強みをさらに伸ばすような施策を速攻で実施していくことが肝要です。
そして、弱みの克服か、強みのブラッシュアップか、その両方を行うことによって、効果測定を行うことがとても重要です。
効果が乏しかったり、出なかった時には、さっさとやめて、次に打てる施策を立案し、実行に移していくことを繰り返していくことが、収益改善の王道です。

そのようなPDCAサイクルをブルンブルン回している中小企業こそが、同業他社が苦しむ中、儲けられている会社に他ならないと北出は考えています。

中小企業経営者の皆さん、収益改善の施策実施は、とても地味で、なかなか効果が出ず、糠に釘のようなことがあって、焦りを感じることもありますが、逆転ホームランはありえないこととと、地道な収益改善へのサイクルを回していくことをひたすら行なっていくことが重要なのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

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