【中小企業の銀行対策】取引金融機関からリクエストされた書類を迅速に提出すべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、取引金融機関からリクエストされた書類を迅速に提出すべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 取引金融機関は融資先を断続的に評価しなおしている
2 当月20日までに前月の試算表を完成させておく

どうぞ、ご一読下さい。


1 取引金融機関は融資先を断続的に評価しなおしている

取引金融機関から融資を受けている中小企業には、取引金融機関から継続的に試算表等の書類の提出を求められます。
一見すると、中小企業経営者の側からすると「別に融資をお願いしているわけではないのに、なんで試算表が要るんやろ?」と疑問に感じるかもしれません。

しかしながら、金融機関は融資先の評価を断続的に見直しています。
債務者区分や信用格付けを見直す定期的な自己査定が定期的に行われる他、本部検査部の検査が入ると、債務者区分、信用格付の再評価が行われます。
当貸や手貸の極度枠の更新時でも同じようなことが行われます。
決算の申告が完了すると、いち早く決算書を入手して、信用格付がやり直しとなります。

このように、ニューマネーの要請がなくても、金融機関は適宜融資先の動向をウォッチして、万が一の業況の変動に最大限の注意を払っているのです。

中小企業経営者の側とすれば、自社の動向が取引金融機関に適宜把握しようとされていることを忘れてはいけないのです。

【中小企業の銀行対策】取引金融機関からリクエストされた書類を迅速に提出すべき理由とは?

2 当月20日までに前月の試算表を完成させておく

検査の検査や、自己査定の時には、外回りの担当者は融資課長や融資担当支店長代理等の融資役席から融資先毎に必要な書式を用意するよう、求められます。
このような場合、必要な書類を揃えるのは「急ぎ」の仕事です。
担当者から書類の提出のリクエストを受けた中小企業経営者は、間違っても、「ま、今週中に準備すればええか」と悠長に構えてはなりません。
担当者からリクエストを受けた場合は、彼(あるいは彼女)が融資役席からせっつかれている立場であることを忖度してあげて、急ぎ、書類を揃え、提出してあげることが大切です。

また、書類の提出が早いだけではなく、「鮮度」も問題です。
「直近の試算表をお願いします」と担当者からリクエストされ、ようやく提出した試算表が3ヶ月前のものでは、担当者も融資役席も部店長(支店長等)の心証は決して芳しいものとはなりません。
「なんや、この融資先、試算表が3ヶ月前やないか。こんなんじゃ話にならん」となっては次のニューマネーの調達にもプラスには間違いなく作用しません。

中小企業の試算表は、自社で全て会計ソフトの入力を行なっている場合もあれば、規模が小さければ、通帳の写し、請求書台帳、領収書の束をゴソっと会計事務所に丸投げするような会社もありますが、試算表の作成過程がどうであろうが、直近の試算表をなるべく早くアップデートしておくことは極めて重要です。
できれば、前月の試算表を当月20日頃までに準備できれば十分合格点です。
そもそも、直近の試算表のアップデートが遅れてしまっては、経営者自身が直近の業況を把握できず、適切な経営判断を行うことができません。
社内外のいずれに対しても、経理周りをしっかりと管理できていルコとは中小企業にとって極めて重要なことなのです。

中小企業経営者は、これらのことを踏まえて、取引金融機関からリクエストされた書類の提出は迅速に行わなければならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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