【中小企業の銀行対策】経営者自身の健康維持向上を2026年の経営課題に位置付けるべき理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、経営者自身の健康維持・向上を2026年の経営課題に位置付けるべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 オーナー企業の経営者は会社と表裏一体の関係である
2 メインバンクはオーナー経営者の健康状態に関心を持っている
どうぞ、ご一読下さい。
1 オーナー企業の経営者は会社と表裏一体の関係である
2026年の実質スタートから、今日で4日目。
賀詞交換会等の新年ならではの特別行事も一段落して、中小企業オーナー経営者も徐々に平常モードに回帰してくるタイミングです。
話は変わりますが、中小企業の大半を占めるオーナー会社ですが、中小企業オーナー経営者は、どんどん高齢化しています。
バブル時に30歳前後で独立して、一国一城の主人として、会社を大きくしてきたオーナー経営者も60代後半から70歳の声を聞くような時間軸となってきました。
オーナー経営者は、皆、事業をさらに大きくしようと意欲的で、公私共に充実している方が多いのですが、さすがに70歳の声を聞くような時間軸になってくると、今までのように無理が効かなくなってくるのも悲しい事実です。
「おかしいな。最近、ちょっと疲れやすいかもしれない・・・」
もしかすると、認知できていない持病に罹患している可能性も払拭できません。
確かに、YouTubeのCMでも健康増進を謳うような健康食品のCMが全盛になるのも納得です。
創業者でオーナー経営者の健康問題と同列に問題となるのが、後継者の問題なのですが、後継者が未だ確定しない場合なら尚更、オーナー経営者の健康維持、向上自体が、会社の大きな経営課題であると言っても過言ではありません。
もちろん、いくら健康管理を徹底し、健康体を維持できていたとしても、自動車事故だって起こり得るわけなので、オーナー経営者である以上、自らの身に万が一のことが起こったとしても、会社を存続させていけるような危機管理が必要であることは言うまでもありません。
そして、同時に、直系の子息、子女で事業承継が可能か否か、不可能であれば社内の番頭格等の幹部社員への事業承継の道を探るか、そうでなければ、第三者への株式譲渡もしくは事業譲渡といった事業承継策を練っておくことを排除してはならないのです。

2 メインバンクはオーナー経営者の健康状態に関心を持っている
次に、オーナー経営者に対する取引金融機関の目線について考えてみます。
メインバンクの担当者は、オーナー経営者に対して、面と向かって尋ねることはしませんが、オーナー経営者の健康状態に大きな関心を持っています。
仮に、後継者が確定していて、後継者が既に、会社の中で幹部として頭角を表していたとしても、創業者で一から会社を大きくしたオーナー経営者の経営手腕を評価しています。
まさに、決算書には現れない「定性的評価」の最たるものだと言えます。
メインバンク担当者の本音としては、「社長が健在で、目が黒いうちは安心安心」なのです。
いくら、直系の子息・子女と言っても、経営者としては、未知数なところが多いので、会社のリーダーとして、従業員を束ねて結束を強くしていけるか、判断するには時間がかかります。
また、仮に、健全な財務内容を背景として、経営者保証ガイドラインに基づいて、社長の個人保証が外れていたらなおさら、次の社長が十分な経営者としての資質を持っているかは予断が許さないところです。
さらに、問題なのは、最悪の場合、後継者がおらず、オーナー経営者が深刻な病気を患い、事業継続が難しくなり、いざ自主廃業となれば、メインバンクとしては到底看過できる状況とは言えなくなります。
いかに、簿価上のBSが相当程度に資産超過であったとしても、精算を前提とした精算BSとなると、正味の純資産は大きく目減りしてしまいます。
具体的には、現預金はとにかく、売掛金は満額回収できたとしても、在庫を処分するとなると簿価を下回るような低価格での売却を余儀なくされてしまいます。
さらに問題なのは、固定資産です。
BS上で計上されている土地や建物は、事業を継続する前提では資産価値がありますが、精算を前提となると、土地、建物の売却価格は簿価を大きく下回ってしまうことは避けられませんし、精算業務を行う短期間で売却できない可能性も払拭できません。
このため、簿価BSが十分資産超過であったとしても、精算BSとなると、一気に債務超過に転落してしまう懸念は払拭できないのです。
このような事態になると、換金した資産で負債、中でも金融機関からの借入金を完済することができなくなる可能性が高まります。
精算BSベースで実質債務超過となれば、破産や特別生産といった法的措置に移行せざるを得なくなり、融資を出していた金融機関には実損が出てしまう懸念が高まるのです。
このように、会社の規模が大きくなればなるほど、固定資産の保有が大きければ大きいほど、自主廃業のハードルは高くなってしまうのです。
中小企業オーナー経営者は、形式はどうであれ、雇用を守り、取引先や金融機関に迷惑をかけないような形での事業継続を模索し続ける必要があるのです。
そのために、必要な大前提が、オーナー経営者自らの健康の維持・向上であることを忘れてはならないのです。

