【中小企業の銀行対策】最高指揮官である経営者が弱音を吐いてはならない理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、最高指揮官である経営者が弱音を吐いてはならない理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 中小企業経営者はコマンダーである
2 金融機関担当者は経営者の弱音を最も嫌う
どうぞ、ご一読下さい。
1 中小企業経営者はコマンダーである
中小企業、中でもオーナー会社である以上、オーナー兼社長は、社内外共にコマンダー、即ち最高指揮官です。
社内的には、オーナー社長は、代表権のある取締役として取締役会を主導することができますし、筆頭株主、2/3以上の議決権を持っていれば、株主総会で自らの意思でどのような議案を決議することができます。
社外に対しても、代表取締役社長としての言葉と行動はとても重いものです。
取引先の部長さんであっても、相手が社長となれば会社の規模を問わず、一目置くのが普通です。
経営者自身は、「うちの会社なんか小さな会社やから・・・」と思っていても、従業員も社外の取引先等も、一目置く存在であって、場合によっては、忖度もあり得るのです。
もちろん、取引金融機関から見ても、オーナー社長の言葉を非常に重要視しますし、面談時の記録もしっかりと残します。
取引金融機関担当者としても、オーナー社長なのだから、嘘やハッタリはないというのが建前です。
それほどまでに、オーナー社長の存在は重たいもので、まさしく、コマンダーなのです。
2 金融機関担当者は経営者の弱音を最も嫌う
社内外に対して、中小企業経営者はコマンダーですが、とはいえ、中小企業経営者といっても、生身の人間です。
どんな優秀な経営者であっても、百戦百勝で常に安定的に利益を出し続けられる保証は何もありません。
新型コロナウイルス感染症の例を見るまでもなく、経営者が如何ともしがたい外部要因の脅威が会社に襲いかかってくることもあり得ます。
如何ともしがたい外部要因の脅威に晒されると、いかにオーナー経営者といっても、泣きを入れたくなる時もなきにしもあらずです。
収益が多少悪化して、経営改善局面に会社が陥った時こそ、取引金融機関に対しては、「当社は大丈夫」、「しっかりと収益改善を図っていく」というファイティングポーズを崩してはなりません。
金融機関は、「安全性」(貸し倒れのリスクが低いこと)を重要視するので、経営者が弱音を吐くようなことは絶対に避ける必要があります。
経営改善を果たすという姿勢を見せるためにも、経営改善計画を策定して、その進捗状況をモニタリング(業況報告)で定期的に金融機関に報告することが何よりも肝要で、金融機関が協調して取組スタンスを維持してくれることに直結します。
このように、中小企業経営者は、会社が仮に窮地に立たされたとしても、常にファイティングポーズを維持して、コマンダーとして、強気な姿勢を崩してはならないのです。