【中小企業の銀行対策】銀行の口座振替は前営業日までに資金を用意しなければいけない理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、銀行の口座振替は前営業日までに資金を用意しなければならない理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 口座振替は未明に実行される
2 口座振替不能リストが取引金融機関担当者に共有される

どうぞ、ご一読下さい。

1 口座振替は未明に実行される

今日は9月29日、明日は金融機関はどこも2025年度上半期末を迎えます。
金融機関はどこも、2025年度上半期を迎えるのに当たって、本部では業績計画の進捗計画について各営業店にプレッシャーをかけますし、支店等の営業店では臨戦体制です。
融資残高は? 預金残高は? 半期期末の末残は計画に対して、クリアできるのか。
現場の責任者ある部店長(支店長等)は、おそらく今日の夕方以降、特に、外回り部隊に対して、最後の詰めを行うべく、営業会議を自らが主導して行うことになりますし、役席者以下、現場の兵隊達もピリピリした夜になりそうです。

一方、営業面だけではなく、金融機関営業店では、融資先の当座預金等流動性預金の入出金も集中します。
中でも、融資の返済を始めとした預金口座の口座振替は、明日ピークに達します。
融資の返済やクレジットカードの決済に際しては、よく「前営業日までにご入金をお願いします」と注意書きがされていますが、経営者や経理担当者の中には、「当日の午前中に資金を用意しておけばええやろ」と考える向きがあることも事実です。

実際のところ、金融機関の口座振替事務は、営業店ではなく、為替センターや事務センター等のバックヤードにて行われています。
当たり前ですが、人間が一件一件手落としをしているわけではなく、バックヤードから自動で口座振替が実施されます。
バックヤードからの自動の口座振替は、口座振替日当日の未明に行われます。
細かくいうと、日付が変わり次第、午前0時台から順次口座振替が実施されていきます。
融資の回収など口座振替は、未明の時間以降、残高があり次第口座振替が行われていきますが、未明の口座振替時に残高不足となれば、口座振替の多くはいわゆる「入金待ち」の状態となります。
例えば、口座振替当日、残高不足で入金待ちとなると、午前8時45分以降、売掛金が入金されてくれば、即口座引き落としが実施されます。
ただし、全ての口座振替が入金待ちとなる保証がないので、未明の一発目の引き落とし時に残高不足となってしまうと、口座振替の先には「残高不足にて口座振替不能」との通知がなされてしまう可能性がなきにしもあらずなのです。

「残高不足にて口座振替不能」になってしまわないためにも、必ず、口座振替の資金は、口座振替日の前営業日に用意しておかなえればならないのです。

【中小企業の銀行対策】銀行の口座振替は前営業日までに資金を用意しなければいけない理由とは?

2 口座振替不能リストが取引金融機関担当者に共有される

それでは、仮に、融資を受けた借入金の返済や租税公課の口座振替分が、一発目の未明の口座振替時に残高不足となってしまった場合、どうなるのかを考えています。
未明の口座振替時に残高不足で口座振替不能となった分については、「口座振替不能リスト」として預金役席と融資役席にまずは共有されます。
同時に、外回りの担当者が融資役席から呼ばれ、「おい、お前、この先、残高不足で落ちてへんぞ。はよ、電話して入金してもらえや」と詰められる羽目になります。
仮に、午前中に入金がなされて、口座振替が即行われても、既に、役席者始め、上席からすれば、要警戒先となって、「延滞予備軍」としてイエローカードが出てしまいます。
担当者としても、「あそこの預金の動きはトレースしとかなあかんな」と痛感させられることになります。
こうなってしまうと、来るべき増加運転資金や設備資金といった前向きな資金需要があったとしても、支店長は「今回は見送るぞ」と取引深耕先から外れてしまう懸念は高まる一方です。

このように、たかが口座振替といって、中小企業経営者や経理担当者が口座振替を軽視することは許されません。
中小企業経営者は、経理担当者と共に、口座振替にかかる資金を口座振替日の金融機関前営業日に資金を用意することを徹底し、自社の信用を貶めることのないように、「延滞予備軍」というレッテルを貼られることを回避しなければならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA