【中小企業の銀行対策】金融機関の融資審査が定性的要素から定量的要素重視に回帰している理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、金融機関の融資審査が定性的要素から定量的要素重視に回帰している理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 定量的要素重視は綺麗事に過ぎなかった
2 鍵はBS健全化とPLの利益拡大に尽きる

どうぞ、ご一読下さい。

1 定量的要素重視は綺麗事に過ぎなかった

金融機関の融資審査に当たっては、定量的要素と定性的要素の2つの要素が検討されます。
定量的要素とは、字の如く、数字の問題です。
端的に言えば、試算表、決算書であり、資金繰り表などの数字で表されるものです。

一方の定性的要素とは、数字では現れない言わば無形の資産で、例えば、経営者の資質であったり、その会社ならではの技術力や営業力であったり、数字で計れないものをいいます。

コロナ前の一時期には、「定量的要素だけではなく、定性的要素をきっちり評価して、多少、決算書に難があったとしても融資に取り組もう」という機運が高まったことがありました。

確かに、定性的要素を重視するということは、中小企業の発展に寄与するという金融機関の本来の役割にかなったもので、経営改善局面の中小企業には願ったり叶ったりの機運であったことは間違いありません。

しかしながら、多少財務内容に難があるけれど、経営者のお人柄を評価して融資を実行したものの、融資を実行して一年も経過しないうちに、リスケジュールに追い込まれたりすることがなきにしもあらずです。
そうなれば、本部の与信所管部署(融資部や審査部等)の調査役や審査役からすれば、営業店(支店等)の融資役席に「お前ら、どこに目つけとるんや!」と文句の一つや二つ言いたくもなりますし、営業店の融資役席にすれば、経営職の調査役や審査役に物申すことはできませんが、本音では(稟議を決裁したんは審査部やんけ)と頭に血が昇ったりします。

とはいえ、そのような事案が実際に出てくると、「やっぱり定量的要素最優先。決算書が全てやな」という機運に逆戻りしてしまいます。

こうなってくると、例えば、生産性アップと省力化を目的とした設備資金の打診をメインバンクにしても、メインバンク担当者は、心外ながらも、「今期の決算書ができてきて、その中身次第ということで。社長、今回は一旦、見合わせにしときましょ」ということになってしまいます。

いくら定性的要素を重視して、中小企業の成長に寄与するという綺麗事を並べても、所詮は、金融機関は銭貸しなので、実行後間もないタイミングでリスケジュールとなるかもしれないグレーな融資に踏み切ることは事実上難しいというのもわからないでもありません。
金融機関の肩を持つわけではないのですが、担当者や支店長からすれば、どうしてもそのような方向性になってしまいがちなのです。

【中小企業の銀行対策】金融機関の融資審査が定性的要素から定量的要素重視に回帰している理由とは?

2 鍵はBS健全化とPLの利益拡大に尽きる

金融機関が、定性的要素から定量的要素重視に融資審査の方針を強めていることを受けて、融資を受けている中小企業経営者としてはどのような心得が必要なのでしょうか。
まず、定量的要素の内、金融機関の融資審査は、概ねBS7割、PL3割というウェイトで行われていることを理解する必要があります。
わかりやすくいうと、BSは実態ベースで資産超過であるけれど、PLが一時的に赤字になっている場合は融資審査にネガティブに働くことはありません。
一方、PLが黒字になったものの、過年度の累積赤字によって、BSが実態ベースで実質債務超過にある場合は、融資審査は極めてネガティブです。
金融機関は融資審査において、安全性を重視するので、BSの健全性を重視するのです。
まず、中小企業経営者は、自社のBSが実態ベースでどのような状況にあるかを把握することから始めなければなりません。
端的に言ってしまうと、BSの健全化とPLの利益拡大が、融資を受けられるか否かを決めると言っても過言ではないのです。

中小企業経営者は、物価高に加えて、金利が上がっていくトレンドという中小企業にとっては脅威となる外部要因が立ちかだかる中にあっても、増加運転資金や立替資金、設備資金といった会社の成長に必要不可欠な資金をタイムリーに取引金融機関から調達できるよう、財務の健全化と利益拡大に注力する必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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