【中小企業経営者の心得】取引先や取引金融機関の人事異動をチェックしておく必要性とは?
今日は、中小企業の心得として、取引先の人事異動をチェックしておく必要性について考えてみます。
今日の論点は下記の2点。
1 サラリーマンにとって「人事」は三度の飯よりも大切
2 「人事」ネタで仲良くなるきっかけを掴む
どうぞご一読下さい。
1 サラリーマンにとって「人事」は三度の飯よりも大切
3月決算の定時株主総会が終わりました。
多くの3月決算上場企業で、定時株主総会後に、幹部を含む人事異動が発令されます。
先週の日経新聞の朝刊の人事異動欄は、平時よりも多くの紙面が割かれました。
人事異動を受けて、先週から今週にかけて、様々な部署で引き継ぎが行われています。
コロナ前であれば、このタイミングで歓送迎会という名の飲み会が全国で繰り広げられましたが、アフターコロナの世の中、未だほとんどの企業では歓送迎会は自粛されているものと推察されます。
ところで、この人事異動について、事業所が本社のみといった規模感の中小企業経営者にとっては、あまりピンと来ないかもしれませんが、大企業サラリーマンにとって、人事異動は、場合によってはサラリーマン人生を左右するような大大イベントです。
旧部署や旧役職から新部署、新役職に異動するのに当たって、「さすがはAさん、エース級は違うね。役員と近いから、今回も大栄転やんか」となる一方で、「Bさん、とばされてしもたね。かわいそ。去年のチョンボがよっぽど響いたらしい。あの人ももう終わりやな」などと、栄転と左遷が混在して、それはそれは悲喜交々混在します。
中小企業経営者にとって、身近な大企業が、融資を受けている金融機関です。
新旧担当者が揃って挨拶にやってきますが、旧担当者が左遷されてしまった場合は、旧担当者の口数は多くはありませんが、栄転の場合は、中小企業経営者が聞くまでもなく、旧担当者が「7月1日付で都内の基幹店舗に異動となりまして」とそれはそれは嬉々とした表情で語ってくれます。
栄転か左遷か、ここが難しいところで、ここは旧担当者の顔色をみて、空気をバッチリ読み切るしかありません。
金融機関の多くでは、人事評価は減点主義が横行する傾向にあるので、そこらあたりも中小企業経営者は、心得ておく必要があります。
このように、大きな組織で働くサラリーマンにとっては人事は最大の関心事で、三度の飯よりも大切なほどです。
夜、サラリーマンが部署内で飲みに行った時のメインの話題は人事に関することと言っても過言ではありません。
2 「人事」ネタで仲良くなるきっかけを掴む
仕入先や得意先、金融機関の担当者が人事異動で交替した時は、一から人間関係を築き上げる必要があります。
いくら大企業や金融機関の担当者とはいえ、生身の人間であることに変わりはないので、肌に合う、合わないというのは避けて通ることはできませんが、ハナからつっけんどんに対応するのは大人気ないというものです。
できることならば、共通の話題や共感できるところを見出して、個人的な人間関係を作って仲良くなることは中小企業経営者にとって重要なことです。
共通の話題や共感できるネタとして、一番とっつきやすいのが「人事」のお話です。
本人の前所属部署での話題や前担当者が移動劇などが手っ取り早いと言えます。
また、本人だけではなく、支店長や支社長といった上席の異動についても共通の無難な話題作りとして使えます。
金融機関の新担当者としても、上席の異動について融資先経営者が把握していれば、「うちの銀行のこと、関心持ってくれてるんやな」と親近感が湧くこと間違いありません。
大手企業の幹部人事については、日経新聞朝刊だけではなく、日経電子版有料版で社名で検索すると、直近や過去の人事異動を閲覧することができます。
中小企業経営者は、自身の肌感覚でピンとこない人事異動ネタについて、取引先や取引金融機関の人事異動に関心を持つ必要があるのです。