【中小企業の経営者心得】人事異動を断行してみる

1 中小企業と大企業との差

北出はサラリーマン時代、大企業とはまではいかないものの、サラリーマン時代(もう13年も前のことですが)、一定程度の組織に属していました。
独立してからこの13年弱の間は、お客様は中小企業ばかりですし、日常的に金融機関と接しているため、中小企業も大企業もそれぞれの特性を把握しているつもりです。
大企業の場合、一般的にピラミッド型の組織体で指揮命令系統が歴然としています。
組織が大きいが故に、現場の声が経営陣に上がりにくく、組織がヒエラルキー化することもあります。
中小企業の場合、大家族的なおおらかさがあったりします。
信賞必罰が徹底されておらず、人事制度も明確でなかったりします。
中小企業も大企業もそれぞれ良さがあり、弱さもあります。
一方で、雇用の絶対数では、中小企業7割大企業3割で、企業の絶対数でみれば、中小企業99%超大企業1%未満となっています。
物価高の中、賃上げが叫ばれていますが、大企業が定期昇給プラスベースアップで賃上げと言ったところで、市井で働く人たちの大多数は中小企業で働いているワケなので、正直なところ、報道を見ていると「ズレてるなあ・・・」と感じるのは北出だけでしょうか。

2 組織としての源泉力はどこにある?

ところで、大企業では普通になされていて、中小企業ではどちらかというとレアなこととはなんでしょうか?
人それぞれ、答えはあるのでしょうが、北出が実感しているのが「人事異動のあるなし」です。
大企業では、人事異動は当たり前です。
北出が仕事上日常的にやり取りをする金融機関役職員にとって人事異動は切っても切れないもので、メガバンクや商工中金といった全国展開金融機関では、大阪で勤務していて、来月から九州なんてのはザラで、珍しくもありません。
もちろん、コロナ禍にあって、転居を伴う人事異動は見直される機運がありますが、顧客との必要以上の癒着が懸念される大手金融機関では、地域限定総合職のような雇用形態でない限り、転居を伴う人事異動はなくなりそうにありません。

他方、事業規模が相対的に小さく、事業所数が少ない中小企業では人事異動とは縁遠い傾向が見受けられます。
もちろん、例えば、製造業で、一作業者が技能スキルを上げてライン長に昇格し、マネジメント能力を高めたことによって工場長になっていくというのは極々自然ですが、部署をまたいだり、ましてや転居を伴うような人事異動はレアだと言わざるを得ません。
そうなると、同じ会社であるにも関わらず、部署や事業所によっては「まるで別の会社みたい」のような現象が起きてしまいます。

もちろん、人事異動は「コスト」がかかります。
まず引継によって、一定期間、業務が滞留しますし、人事異動当初は何かと錯綜することも避けられません。
転居に伴う人事異動の場合、引越し費用だってバカになりません。
しかし、人事異動が行われる合理的な理由として、組織の活性化が挙げられます。
同じ人が同じ業務をやり続けるのは、リスクが伴います。
まず、「この業務は私だけしかできへんのよん」という社員がいるだけで、組織の風通しが悪くなります。
所属長よりも幅を利かすボスやお局が居座ってしまって、新入社員が辞めていってしまいます。
さらには、不正の温床にもなりかねません。

人事異動は綺麗事だけではありません。
組織における最大の源泉力とはなんでしょうか?
これも様々意見があるでしょうが、組織における最大の源泉力とは「人事権」に他ならないと北出は信じて疑いません。
非管理職の人事は管理職である所属長が、所属長の人事は担当役員が人事権を持って、担当役員の人事は社長、会長らが主導する取締役会で決せられたりします。
人事権者に楯突いたら、「僻地へ飛ばされる!」という無言のプレッシャーこそが人事権そのものです。
そのような好き嫌いばかりの強権的で懲罰的な人事権が行使されるような組織では困りますが、逆に中小企業を見ていると、「人事権」が効いていないことをいいことに、職場の規律が維持されていないようなケースを北出は散見することがあります。
適度な人事権の行使は、組織をピリッとさせるのに有効なものだと北出は考えています。

このように、人事異動には功も罪もあります。
しかしながら、これまで人事異動を行ってこなかった中小企業であれば、経営者は一度人事異動を真剣に検討してみてはいかがでしょう。
人事異動が当たり前にできるような組織にしておけば、事業承継にもプラスに働きます。
硬直的な組織を活性化させ、必要以上に幅を効かせるボスやお局に喝を入れるためにも、人事異動、ぜひやってみましょう。

【中小企業の組織論】間接部門の効率化の必要性とは?も併せてご一読下さい。

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